芸能都市伝説

サンタクロースのお手伝いをする妖精 北欧の「トント」「ニッセ」

 海外のクリスマス関連の絵や絵本を見ていくと、三角の赤い帽子を被って白い髭を生やした小人が登場することがある。サンタクロースや普通の人間に比べると遙かに小柄であり、かといって他の童話に登場する小人や妖精とも違った独特の雰囲気をまとっている。果たして、この小人は何者なのか。

 これは主に北欧、フィンランドに伝わる妖精で「トント」と呼ばれている。トントは家やサウナの守り神のような側面があり、とくにその家の子どもを見守っているという。そして、クリスマスになると各家のトントがサンタクロースのもとに出向き、いい子にしていたかどうか報告するのだそうだ。そして、いい子の元にはサンタクロースがやって来て、プレゼントをくれるのだという。




 デンマークでは「ニッセ」というよく似た妖精が存在している。こちらは赤い帽子を被った小人の姿をしており、クリスマスの日にはサンタクロースの手伝いをする。

 いたずら好きで、北欧の人々は不思議なことが起きると「ニッセの仕業」と考えているそうで、ニッセの悪戯の中には「窓に霜の模様を付ける」など、別の国では霜の妖精「ジャック・フロスト」のしわざとされるような物も交じっている。また、ニッセが住み着いた家は幸せになるとも言われており、日本の座敷わらしのような存在であるとも言えるだろう。

 なお、ニッセは成長するとサンタクロースになるとも言われている。彼らが赤い帽子に白い髭と、どこかサンタクロースに似た外見なのはそのためなのかもしれない。

(加藤文規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)