奇妙な生物が森や海、空から現れたという話は多いが、中には人体から奇妙な生物が出てきたという事例も存在している。
明治31年6月16日、北海道高島郡祝津村に住んでいた佐々木儀三郎さんの遺体を焼く途中、体内から奇妙な鳥が出て来た。体長は約六寸(約18センチ)、足はカエルのよう、尾は鼠のように見えたが総じて全身は鳥にみえる、翼のある謎の生物であったと1898年6月28日発行の『都新聞』が報じている。
足がかえるのよう、と言うことは水鳥のように水かきがあったのだろうか。それとも、本当に蛙のように太股の筋肉の発達した足を持っていたのだろうか。興味は尽きないが、図版も残っておらずこの奇妙な鳥がその後どうなったのか、どこかへ飛んで行ったのかしばらく飼育していたのか等についても詳細は伝わっていない。
このように人間の体内に鳥が出入りする話は珍しいが、死者の魂が鳥になると言う考えは古来よりあった。
歴史上の人物でも、強い恨みや想いを残した人物の魂が鳥に姿を変えたというエピソードが残っており、物部守屋は「寺つつき」に、藤原実方は「入内雀」になったとされている。
なお、現代でも同様に人間の体内から奇妙な生物が姿を現した、という事例は存在している。中にはそう言ったふれこみでショッキングな画像や動画が出回ることもある。
だが、現代では所謂奇形児を出産したり、流産してしまった話が誇張されたり、家畜の奇形の胎児を利用したいたずらである事が多いようだ。
(田中尚 山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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