NHKの連続テレビ小説『あさが来た』の平均視聴率が23.5%を記録し話題となっている。
その一方、一般視聴者のドラマ離れも問題視されているが、昨年、2015年7月期のAKIRA主演のドラマ『HEAT』(フジテレビ)が視聴率2.8%の低視聴率を叩き出し、9話で打ち切られて映画化が白紙になるといった騒動もあった。また2012年4月期のオダギリジョー主演『家族のうた』(フジテレビ)が低視聴率のために8話で打ち切りになったことも記憶に新しい。
上記の結果を見る限り、現在のドラマ番組は作品によって明暗がはっきりと別れる傾向にあるようだ。
ところが『HEAT』、『家族のうた』にしても爆死レベルの視聴率ではあるが、上記の2作品もテレビドラマ史上最低の記録ではないという。
ではドラマ史上最低の視聴率となったドラマは何かというと、これまたフジテレビ制作の連続ドラマ『ピーマン白書』(1980年)というドラマだとされている。
これは、楳図かずおの漫画『漂流教室』をモチーフにした内容で『落ちこぼれ』と言われた生徒達が、自分たちを受け入れてくれる小学校を求め放浪するというストーリーだった。
スタッフ・キャストも当時の実力派を多く集めた意欲的な作品であったが、裏番組が高視聴率番組『8時だョ!全員集合』だったことも影響し、第2話にしてなんと、視聴率2.6%を記録してしまい、その後の視聴率は一切回復すること無く、全6週、全9話であえなく打ち切り(6話~8話は時間を移しての深夜放送)となった。
なお当時の『全員集合』の裏番組は、どれも苦戦こそ強いられるものの、たったの6週で打ち切りになることはほとんどなく、よほど低視聴率が局内でも問題視されたのであろう。
『ピーマン白書』は、その意欲的なストーリー構成、夭折した名優・岸田森の熱演などもあり、現在もDVD化が待ち望まれている一本ではある。
なお余談ではあるが打ち切りになった『ピーマン白書』の穴埋め番組として制作されたのが『俺たちひょうきん族』である。
その後フジテレビは『ひょうきん族』で『全員集合』の牙城を崩すことになるのは皆さんご存知のとおり。
結果的には、『ピーマン白書』への最高のリベンジとなった。
文:大森エビフライ