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伝説上の人物は実在した!ポーランドに言い伝わる詐欺師が隠した大量の金貨を発掘

ポーランドにて、人々からお金を騙し取ったのち中南部の山中に隠したペテン師の金貨の宝庫を金属探知機が発掘した。

5月8日付のキェルツェ県記念物保護局によるフェイスブックへの投稿によると、17世紀後半から18世紀初頭にかけて、世捨て人で冒険家であったとされるアントニ・ヤチェフスキーという人物が、イェレニオフスキー山脈近くの都市キェルツェの人々に対して詐欺を働いていた。

ポーランドの伝説によると、彼は「荒野で共に暮らした神の母から」授かった癒しの力を「人々に信じ込ませ」、それから人々を山の集落に誘い込んだという。当時、ポーランドは戦争中であった上に疫病が国中に蔓延していたため、人々はヤチェフスキに会うため訪ねるようになっていった。人々は彼の治療を受ける代わりに、金貨や銀貨を支払った。

やがて当局によって彼は捕らえられ拘束されたが投獄を免れ、その後さらに人々を騙し続けた。1712年、彼は再び逮捕されたが今度は終身刑(無期懲役との説もあり)を言い渡された。

それから数百年後の2022年、金属探知機がその彼の”預金”を発見した。しかしながら、当局がこの発見をおおやけに発表するまでには、さらに2年の歳月を要した。

「我々はこの発見を発表するために約2年という長い時間を待ちましたが、その価値はありました。こんにち、我々はある伝説が本当だったことを確認したと言えるでしょう」と、宝物を発見したシフィエントクシスカ探査グループのセバスチャン・グラボヴィエツ代表は声明文で述べた。

加えて、グループは聖母子像が描かれた1648年のハンブルクの金貨も発見した。フェイスブックの投稿によれば、この金貨には穴が開いていたため、専門家はメダリオン(飾り物のメダル)として身につけられていたものではないかと考えている。

グラボヴィエツは、「今回のこのような発見がされるまで、アントニ・ヤチェフスキは架空の伝説上の人物と考えられていました」と語った。「彼の宝物を見つけたことで、我々は彼が実在していたことを確信したのです」

なおグラボヴィエツによると、調査が進行中であるため発見された金貨の数はまだ具体的には発表していないという。「たくさんあるとしか言えない」「17世紀末から18世紀初頭の金貨があり、ほとんどが銀でできています」と彼は付け加えた。

【文 にぅま】

画像 Wojewódzki Urząd Ochrony Zabytków w Kielcach / Facebook