妖怪

絶対に転ばないし倒れない、複数の足を持つ怪物「ウィンソーサー」





本アトラスでこれまでにも何度か取り上げている、1910年にアメリカで発行された「木こりの森の恐ろしい動物たち」。

19世紀から20世紀初頭にかけてアメリカで実在が信じられていた未確認動物や妖怪の伝承を挿絵付きで紹介したもので、他の地域の伝承にはないかなり独創的な特徴を備えているものも多い。

今回紹介する「ウィンソーサー」も一見普通の生物のようにみえるが、かなり変わった体をしている怪物だ。一見普通の四足歩行の生物に見えるのだが、体が三角形の筒状で、前足と後ろ足の上にさらに3本ずつ「足」が生えている。




首と尻尾の付け根にはリング状の器官があり、なんと1分間に100回転させることが出来る特殊な関節になっているのだという。ウィンソーサーは獰猛な生物なようで、牙をむき出し、周囲には人間のものらしき頭蓋骨や骨が散らばっている様子が描かれている。

この生物は1906年の春にカリフォルニア州沿岸部で目撃されたもので、拳銃で撃たれたり、棍棒で殴られたりしてもちょっとやそっとのことでは倒れることはない。それほど頑丈だという意味だけでなく、この生物には「転倒する」ということがないのだという。




バランスを崩して転びそうになっても、体の横や背中に生えている手足が地面や壁に触れるため、踏ん張って立つ事ができるからだ。この生物がこのような不思議な体になってしまった理由には、この地域が北米大陸の中でも地震が多発する地域である点が影響しているという。どれほど大きい揺れに襲われても、倒れる事のないよう様々な方向に足が生えるようになったのだという。

この生物は頻繁に男性を襲うようだが、前述のとおり武器を用いても倒すのは困難だ。だが、この生物を細い分岐のある大きなパイプの中に閉じ込めると、それぞれの手足をてんでバラバラの方向に動き出させて抜けだそうとするため、自ら体が裂けて死んでしまうのだそうだ。

(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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