7月6日午前、地下鉄サリン事件等様々な事件を引き起こした一連のオウム真理教事件にて、オウム真理教の教祖であった麻原彰晃(本名・松本智津夫)死刑囚の死刑が執行された。また、元幹部6人も同日に死刑執行となっている。
麻原の姿を写した写真は多数あるが、中でも異彩を放つのが座禅を組んだまま宙に浮いている「空中浮揚」の連続写真だろう。
これは85年に複数のオカルト雑誌に掲載されたもので、ヨガの究極の行法である「ヴァヤヴィヤ・クンバカ・プラーナーヤーマ」を行うことで成功に至ったと紹介されていた。
この行法は尾てい骨に眠るエネルギーを覚醒させるもので、習得すると自然に体が跳ねだし重力のくびきから離れて浮き上がる、修行すれば誰でも身に付けることの出来る神通だとしていた。しかし同時に心身に大きな負担がかかるため、教祖による手解きが必要であるともされていた。
そんな空中浮揚に至る行法は以下のようなものだった。
背筋をまっすぐにして蓮華座を組み、膝に掌を置いて眉間に精神を集中させる。その後、鼻で素早く息を吸って吐くのを25回繰り返し、息を全て吐き出してから喉、肛門、腹の順に引き締めて限界まで息を止める。限界に来たら同じ順番で緩めて息を吸い…という行為を20回繰り返す。するとやがて蓮華座の状態で浮かび上がるのだという。
この修行と思われるものを行っている様子は教団の様子を捉えた動画でも確認でき、また土谷死刑囚もこの修行を行うことでダルドリー・シッディ(空中浮揚の初期段階)を経験したとオウムの出版物の中で語っている。
だが、もっともらしく語っているものの、その実情は座席を組んだ状態でジャンプしたに過ぎなかった。この空中浮揚は後に江頭2:50を初め、何人かの芸人やタレントが挑戦して同じシチュエーションの写真を撮影することに成功していた。
なお、当の麻原本人は90年代に東大で行われた講演で空中浮揚をリクエストされたが、精神の集中が必要だからと断っている。それも衆人環視の中で実行すれば、単にその場で跳び跳ねているだけだとすく解ってしまうからだったのではないだろうか。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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