7月2日、人気番組『笑点』の司会者として親しまれた落語家の桂歌丸さんが亡くなった。81歳だった。
歌丸さんは『笑点』開始当初の1966年から回答者として登場。五代目三遊亭圓楽さんが番組を降板してからは司会者となり、そして一昨年の2016年に笑点を「勇退」した。
以来、歌丸さんは本業である落語に対し再び精力的になり、病気をおして現役の落語家として活動していたが、病魔には勝てず、本日未明その生涯を閉じた。
さて、歌丸さんは2016年に『笑点』の司会を降板したが、番組自体からは完全には降りていなかった。同年5月には「終身名誉司会」として就任。お馴染みのOPアニメに毎週登場していたほか、笑点の放映開始5分前の17時25分からは、歌丸さん本人が毎週登場するミニ番組『もう笑点』が放送されていた。
これは歌丸さんが、長屋のご隠居的な立場となり、彼の元に訪れる笑点メンバー達の個人的な悩みや落語に関してのウンチクを語るという番組で、コアな笑点ファンに絶大な人気があった。
現に歌丸さんが亡くなる前日の7月1日にも『もう笑点』は放送していた。この日は最近、中年太りに悩む林家三平に健康をテーマにした「ひとり大喜利」を行い、元司会者の立場から三平の答えにキツイダメ出しをする歌丸さんの姿があった。
奇しくも林家三平は、歌丸さんが司会を勇退し春風亭昇太にバトンタッチした際に入れ替わりで加入したメンバーであり、キツイダメ出しは歌丸さんなりの最後のメッセージだったのかもしれない。
『もう笑点』は録画番組であり、今回の三平回以外にも何本かストックがあることから、この番組が歌丸さんのテレビでの実際の遺作となりそうだ。
最後の最後まで、笑点へ関わり続けた桂歌丸さん。『もう笑点』の今後に関しては日本テレビの公式発表を待ちたいところだ。
(文:江戸前ライダー ミステリーニュースステーション・ATLAS編集部)