パワースポット

「豆腐と小僧」




 先日、適当に神社や寺などを散策していて、おできや癌にご利益があると云われのある神社を見つけた。

 その名は三日月神社といい、縁起によると「三日月村の有志が、三日月にゆかりのある出羽三山に含まれる山形県の霊峰・月山に参拝した際、月の神霊が宿る石を千葉県松戸市まで背負って持ち帰り、鬼門守護祠と合わせて三日月大明神として三日月村の鎮守社とされた。古くから人々の姿(皮膚)を護る神とされ、俗におできや癌にご利益があると言われており、治癒した時には豆腐をお供えする習慣が残されているそうだ。(※三日月神社・宮司縁起より)

 神社のこじんまりとした境内には、有志が担いできたとされる月の神霊が宿る石が祀られている。皮膚などに悩みのある方は参拝してみては如何だろうか?

 近場を更に散策していると、全国唯一の中気除不動尊が祀られている萬満寺という寺院が視界に入ってきた。
(※中気除とは、中風、高血圧病やそれによる脳卒中の厄除けの事で、古くから足腰がしっかりするなどの不思議なご利益があると伝えられている。)

 縁起によると、鎌倉時代に創られた水戸街道きっての古刹で、境内の六角弁天堂は、理発であった義真という小僧さんの悲運を追福して作られ(諸説あり)、本尊は通常の女形弁天像ではなく、男形の小僧の姿をしており、通称・小僧弁才天と云われ、子供の丈夫な成育や学業成熟の祈願に功徳ありと云われているようだ。(萬満寺縁起より)

 また、萬満寺から約4Km離れた弁天橋の側には、義真の亡骸が流れ着いて埋葬されたとされる場所があり、そこにも小僧弁天と呼ばれている弁天堂があるようだ。

 同じ由縁の弁天堂が2つあるのには驚きだ。




 ところで、豆腐と小僧と言えば妖怪の豆腐小僧だが、豆腐小僧は一ツ目小僧の仲間であり、紅葉柄の着物を着ていて、持っている豆腐にも紅葉模様が描かれているのが一般的である。一ツ目小僧や豆腐小僧の派生については諸説あるが、実際のところは良く分かられていない。

 私の推察では、現代と江戸時代では漢字の読み方や意味が違う場合がある事を前提として、

 貢(こう、みつぐ)
 項(こう、文章などの箇条)

 貢と項を踏まえて、頁(ぺーじ、よう ※音読みに関しては諸説ある)と葉(よう)は、中国語で同音のため同じ意味として使われる。【項葉、貢葉=こうよう=紅葉(もみじ)】となり、頁という漢字を分解すると、【一・ツ・目】になるので、江戸時代に中国語に詳しかった日本作家の言葉遊びから派生した妖怪と考えられるだろう。

 江戸時代に山東京伝などを含めた芸術家がまとめて、江戸幕府により手鎖の刑に処せられた事件が起こったのだが【言葉遊び】によって、お偉いさんを揶揄した事が主な原因だったのではないだろうか?

 言葉遊びから派生した妖怪のひとつに、漢字の卯に点を二つ付ける(卯に目を書く)と卵になる事から、鶏の卵に目を書き入れ、脚を付け足して描かれた【卵の妖怪】という化け物も存在する。

(前世滝沢馬琴 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

一番上の写真 ㊧三日月神社 ㊨山形県から背負って持ち帰られた月の神霊が宿る石
記事中の写真 ㊤萬満寺 ㊥萬満寺境内の六角弁天堂(小僧弁天) ㊦萬満寺から4㎞離れた場所の弁天堂(小僧弁天)

三日月神社所在
千葉県松戸市三ヶ月1451

萬満寺所在
千葉県松戸市馬橋2457