平成のはじめごろの話である。
女性のYさんは当時、ある会社で事務職として働いていた。当時のYさんはアパートで一人暮らしをしたいたが、会社まで30分ほどの場所にあり、非常に住みやすいアパートであったという。
部屋に対する何の不満もなく生活をしていたYさんだが、ある日を境に不気味な現象に襲われるようになった。
ある日の深夜、Yさんは夜更かしをして3時頃まで起きていた。そろそろ寝ようかと思っていると、廊下で誰かが走っているような物音が聞こえてきた。
「たったったったったっ」
最初は住人が帰って来たのかと思ったが、こんな時間に走っているのは変だった。
注意深く聞き耳をたてていると、その足音はYさんの部屋の前でぴたりと止んだ。もちろんこんな時間に誰かがやってくる予定もなかった。
数秒感の沈黙のあと、かすれたような声が聞こえてきた。
「ゆうびんです」
同時に何かを置くような音がした。
「どさっ」
何を置いたのかはわからないが結構な重さがありそうな音だった。
こんな時間に郵便の配達などあるわけがなかった。Yさんは怖さのあまり、何が届けられたのか確認してみることは出来なかった。
(※続く)
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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