4月30日午前11時、広島県広島市南区にて4月8日から逃走中だった平尾龍磨容疑者(27)が発見、身柄確保された。
平尾容疑者は窃盗などの罪で愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業所にて服役中だったが隙をついて逃走、今治市内で車を盗み広島県尾道市向島に逃走して潜伏していた。30日午前、広島市南区のネットカフェ店員が平尾容疑者に似た利用客がいると気がつき、店を出た後に通報。通報を受けた警察官らがパトロール中に平尾容疑者らしき人物を発見、逃走したため追跡し確保に至ったという。
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平尾容疑者は24日に尾道水道を泳いで渡り、服装や持ち物はその後調達したらしい事を証言している。それまでは向島で窃盗を行い、沢山ある空き家に潜伏していたとのこと。平尾容疑者は逃走の理由を「刑務所内での人間関係が嫌になったから」と、また向島での潜伏については「しんどかった」と語っているという。
指名手配犯が逃走を試み、長期間逃げることに成功するという事例は過去にも存在している。松山ホステス殺人事件の福田和子容疑者は整形手術を繰り返し、偽名をいくつも駆使して各地を点々としていた。だが時効成立21日前に公開捜査番組が報道されたことによって逮捕に至っている。
平尾容疑者のように潜伏を試みる事例も多数ある。リンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件の市橋達也容疑者は顔面の整形も行っていたが、沖縄の離島に潜み自給自足で生活したりもしていたため長期間逃亡することができたとみられている。
犯人に一番逃亡されてしまう可能性が高いのが、協力者がいたケースだ。「おい、小池!」のキャッチコピーで有名になった徳島・淡路父子放火殺人事件の小池俊一容疑者は女性と同居しており、彼女が隠し通していたため2012年に病気で死亡するまで潜伏が判明しなかった。
また2017年に逮捕されるまで46年間潜伏していた中核派活動家の大坂正明容疑者は、同じ活動家の協力者と徹底して自身の痕跡を消すマニュアルがあったために警察の目を逃れられたとされている。
様々な知恵を働かせて逃げようとする逃走犯たち。だが、よほど幸運に恵まれないかぎり逃げおおせるのは難しいようだ。
(勝木孝幸 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)