予言

ルドルフ・フェンツ、彼はどこからやってきたのか・・・

【交通事故で死亡した男性は70年前に行方不明になっていた男性だった!?】より続く




先日、過去に起きていた「未来人」事件として、1950年のアメリカに約70年前の人物がテレポーテーションしてきていた!?とする事件を紹介した。

いきなり道路に出現したこの男性は直後に交通事故で亡くなったのだが、やたら古めかしい格好をしていた。そこで持ち物を改めてみたところ、1876年に行方不明になった人物「Rudolf Fents(ルドルフ・フェンツ)」だという事が判明。70年後の世界にタイムスリップしてしまい、事故に遭って行方不明者となってしまったのではないか?と考えられた。

この事件が事実であったとするならば、実に奇妙な事件だ。

同様に考える人は海外でも多くいたようで、事実の検証を行う人もいた。その結果、衝撃の事実が判明したのである。

この事件の真実を突き止めたのは超常現象研究家のChris Aubeck氏。彼はこの話の引用元や参考文献などを地道に辿っていったところ、この話が事件があったとされる年の翌年、1951年のSFアンソロジー本に創作として掲載されていたことを発見したのである。この時点では、タイムスリップをテーマにした実話のように仕立てた短編小説だったようだ。

だが、その2年後にこの話がRalph Hollandという人物の手によって雑誌に紹介される。一応この時点ではまだ「フィクションである」と明記されていたのだが、Holland氏は「ボーダーランド(Borderland)」という「四次元(または異次元)」の存在を研究・立証するというグループに属していた。我々が感知できない四次元の空間を通ったことで時間移動をしてしまった実例として「Rudolf Fents(ルドルフ・フェンツ)」の話が用いられてしまったのである。

その後、Holland氏らの手による小冊子がアメリカから欧州に渡ったことで、「1950年のアメリカで起きた怪事件」として広く信じられてしまうようになったのだ。

実際に事件が起きた地から遠く離れてしまうと、実話か創作か検証する事は非常に難しくなる。このタイムトラベラーの話が広まってしまった背景には、そんな事情があったのではないだろうか。

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(田中尚 山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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