1月1日、テレ玉(テレビ埼玉)の番組「埼玉政財界人チャリティ歌謡祭」にて、アニメファンが騒然となるような衝撃シーンが放送された。
「埼玉政財界人チャリティ歌謡祭」とは毎年1月1日にゴールデンタイムで2時間半放送されているテレ玉限定の特別番組で、現職の埼玉県知事や埼玉県内市町村長、埼玉県の企業の社長といった埼玉の政財界を代表する要人たちが自慢の喉を振るうという、いわゆる埼玉県VIPを集めた豪華版「のど自慢大会」である。
問題のシーンは久喜市長である田中暄二氏の出演パートにおいて突如発生した。
田中市長は自身の十八番だという松山千春の『恋』を披露したのだが、その際に応援としてバックに久喜市を代表するゆるキャラ4体が集まった。
ところが、4体のゆるキャラの内1体は2007年に大ヒットを飛ばした萌えアニメ『らき☆すた』(2007年)の登場キャラクター「柊(ひいらぎ)かがみ」の着ぐるみだったのである!
柊かがみの着ぐるみは市長から「これは鷲宮(町)のかがみさんです。名前をちょっとかわいくして『かがみん』と呼ばれています」と紹介され、『らき☆すた』というタイトルには特に触れられず、自称ご当地キャラとして淡々と役目を果たしていたのである。
いったい、何故萌えアニメのキャラがご当地ゆるキャラとして出演しているのか?それには以下のような理由があるという。
実は『らき☆すた』の舞台は埼玉県の久喜市であり、柊かがみは久喜市鷲宮町にある神社の巫女という設定なのである。
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使われた着ぐるみは2014年頃に久喜市の商工会議所が「久喜市を盛り上げたい」と『らき☆すた』の原作者と出版社に依頼して作られたものだという。
現在は『らき☆すた』の人気も一段落し、アニメイベントでの出演は少なくなってはいるが、その可愛らしい見た目から久喜市のイベントには高頻度で出演。
そのため久喜市内では『らき☆すた』を全く知らない子供からおじいちゃん世代まで絶大な人気を誇っており、現在では市を代表するご当地キャラにまで成長しているのだという。
かつてオタクに大人気だった「萌えキャラ」が、今では子供に人気な「ゆるキャラ」に転職しゆったりと余生を過ごしているとは・・・。
まるで人間社会にも通ずるようななんともほのぼのするエピソードである。
なお、ほか萌えアニメの都市伝説としては「『けいおん!』が流行る前にやっていた恐怖アニメの正体」という有名な逸話がある。
【参考リンク】久喜市商工会 キャラクターファンクラブ
(文:江戸前ライダー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像『らき☆すた キャラソン(2)』