11月29日、オランダ・ハーグでの旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷で、戦争犯罪に問われていたクロアチア人、スロボダン・プラリャク被告が有罪判決を言い渡されている最中に謎の毒物を飲み、その後死亡した。
法廷の模様は録画されていて、プラリャク被告の死亡シーンは全世界へ拡散されている。
本事件は近年まれに見る自殺の生中継事件としてTwitterでトレンドになるなど大きな話題となったが、実は今から30年ほど前に今回と同じようなメディアの目の前での自殺事件があった。
1987年1月22日、アメリカはペンシルベニア州で汚職で有罪判決を受けた州政府高官が釈明の記者会見中に記者団の目の前で銃を口に突っ込み発泡して自殺する、という衝撃的な事件があった。
自殺した現場はペンシルバニア州の財務官バド・ドワイヤー氏で、特定のコンピューター会社に州との契約を仲介し違法な謝礼を受け取る約束をしたとして釈明の記者会見を行っていたところだった。
ドワイヤー氏は無実を主張していたが、会見は怒号が飛ぶほどの混乱ぶりで「逃げ切れない」と判断したドワイヤー氏は遂に観念し、持っていた紙袋から357マグナム銃を取り出し、口の中に銃口を入れると引き金を引いてしまった。
後頭部が吹き飛ぶ即死状態であり、その模様は詰めかけていたテレビ局や記者団のカメラにもバッチリ収められた。
幸いなことにこの自殺の模様は生中継ではなかったため、その衝撃的な映像はオンタイムではテレビ放送されることはなかったが、その後いくつかの深夜番組がこっそりとオンエアしていたという。
なお、ドワイヤー氏は拳銃を取り出す際、報道陣に向かって「下がっていてくれ!怪我をするぞ!」と自分から離れるよう訴えていたくらいであったことからも、突発的ではなく既に覚悟を持って自殺したことを伺わせた。
そして事件の真相はドワイヤー氏の死によって藪の中となった。
(アリナックス城井 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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