山口敏太郎の妖怪博物館に存在する目玉展示のひとつが「ジャッカロープの剥製」だ。
アメリカのワイオミング州を中心に伝説が残っており、シカに似た角が生えたウサギという可愛らしい姿をしている。カウボーイのキャンプファイヤーに寄ってきたり、人の声を真似て道に迷わせたりするなどアメリカ土着の妖怪として受け入れられている。乳が万能薬になる、見ると幸せになる等の伝説もある。
このジャッカロープの正体は「角やこぶ状のイボが生えるウサギ乳頭腫ウィルスにかかって角が生えたような外見になった普通のウサギ」とする説が強いが、まれに本当にジャッカロープらしき生物の目撃談が出てくることもある。
2015年の夏、アメリカはウィスコンシン州にて少年達が森で跳ねる生物を発見。それは灰色のウサギに似た生物で、頭部にずんぐりした太めの一本角と牙、黄色い目をしていたという。普通のジャッカロープと比較するとかなり凶暴そうな見た目だが、しばらくの間近場の草を食べて去っていったという。
果たして、この生物は何だったのか。ウサギの妖怪で額に一本の角を持つ妖怪にアルミラージという妖怪がいるが、こちらはトルコの伝説に出てくるもので家畜や人間を襲うとされているため、今回の目撃証言ともまた違いがある。
もしかすると、本来のジャッカロープの姿は「額に一本角」というこちらの方が正しかったのか?
現地の研究家はこの生物について追跡調査が必要だと述べているという。
(文:桃山あいら ミステリーニュースステーション・ATLAS編集部)