今月21日、大阪市鶴見区の遊歩道に針金が張られているのが発見され、警察は殺人未遂の容疑も視野に入れて捜査に当たっている。
問題の針金は午後4時に鶴見区横堤の遊歩道にて通行人が発見し、通報したことで発覚した。針金は太さ1ミリほどで全体に黒いテープが巻かれており、街路樹と側の建物の室外機で両端を固定し、幅2.6メートルの道を横切るように高さ70センチと20センチの位置に二重に張られていた。
この事件を耳にして、ある都市伝説や実際に起きた事件を思い出した人もいるのではないだろうか。
1970年代に噂になった「首なしライダー」の都市伝説だ。暴走族が問題になっていた頃の話で、族同士の抗争や事故で首を失ったライダーが亡くなった事に気づかず今もバイクで走り回っている、というもの。そして、この都市伝説が出来るもととなったのではないかとされる事件が過去に東京で起きていた。
1984年5月に葛飾区水元公園にて、深夜17歳の少年がバイクで走行中に転倒して死亡。運転ミス等ではなく、何者かが公園の木と道路のポールの間に高さ1メートルのロープを渡しており、彼はそれに引っ掛かったのである。当時は暴走族が問題になっており、水元公園にもバイカーたちが集まっていたため、騒音にしびれをきらした何者かが故意的に張ったと思われた。
だが、亡くなった少年は違法行為には関わっておらず、やがて世論や報道も彼に同情的になっていった。結局この事件の犯人が見つかることはなく、彼の事件から首なしライダーの噂が生まれ次第に広がるようになっていったという。
今回の大阪の事件では、発見が早かったせいか被害者は報告されていない。しかし、現場は小学校の通学路にもなっており目立たないような工作もされていたことから、非常に悪質であるとして警察は捜査を進めていく予定だという。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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