普段は優しそうなお婆さんで、子供に優しく声をかけている。
そんなお婆さんがある日、「いい話があるから耳を貸してごらん」と囁きかける。子供がたいして警戒することもなく耳を寄せると、お婆さんは豹変して寄せられた子供の耳を切り取ってしまうという。
これが耳削ぎ婆という妖怪で、彼女がこのような凶行を犯すに至ったのにも訳がある。かつて彼女の息子が事故に遭い、耳を根元から切断されてしまった。そのため、彼女は自分の息子の耳を治すため、新鮮な耳を与え手術で元に戻そうとしているのだという。
「耳が取れる」という都市伝説は多く、中には「寒い日にあまりに耳がかじかんで痛いので、よく見たら根本からぽとりと耳がもげ落ちていた」という話も存在している。
体から出っ張っていてつかみやすい形をしていたり、冷えると本当に取れてしまいそうなほど痛む点から、このような妖怪や都市伝説が生まれたのではないだろうか。
(山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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