昭和48年12月28日、人気俳優の田宮二郎が猟銃を使って自殺した。
当時、田宮二郎は人気ドラマ『白い巨塔』や人気番組『クイズタイムショック』に出演しており、日本中に衝撃が走った。
しかも、主演していた『白い巨塔』の原作者である山崎豊子の『華麗なる一族』の凄惨なラストシーンと同じ猟銃自殺という最期は人々に強いインパクトを与えた。
その自殺の理由だが当時から様々な指摘がなされた。詐欺師によって金銭的なダメージを与えられ、精神的に追い詰められていたとか。
ドラマ『白い巨塔』の主人公を演じているうちに、自分が主人公と同一化し、ドラマの主人公と同じように精神的に崩壊していったとも言われた。
田宮二郎がドラマの主人公と同一化していた証拠として飛行機内で急病人が出た際に、
『私が医師の財前だ!』
と名乗り出たというエピソードが挙げられるが、些か話が出来すぎでフォークロアの類いであろう。
田宮二郎の死により、ドラマの主人公が死亡するラストシーンに向けて『白い巨塔』は視聴率が急上昇し、昭和史に残るドラマとなった。
だが、その後も田宮二郎の自殺の真相に関する議論は続き、マスコミのインタビューで元付き人が他殺説を披露している。
その理由は、付き人から見て全く自殺の兆候が見えなかったことや、当時猟銃を手許に所持していなかったことが挙げられている。
一方で関ヶ原の戦いに敗れた西軍の祟りだという噂もあった。関ヶ原の戦いにおける岐阜城の攻防戦で敗れた西軍の武士たちの首塚が麻布にあったのだが、その旧敷地に田宮二郎の屋敷が接していたというのだ。
この伝説には首塚の祟りであるが故に、田宮二郎は猟銃で首を撃って自殺したと言う余談も付け加えられている。
なお山口敏太郎が15年ぐらい前に麻布に住んでいた某格闘技団体のトップにインタビューした際、地元の噂話として、旧田宮二郎邸の壁に田宮二郎の顔が浮かんでいるという話を聞いた。だが、当時の所有者は、ドイツ人であり田宮二郎の顔を知らないので、あまり気にしてないとの事であった。
伝説は地層のように積み重なっていく。
(山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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画像は『白い巨塔』(DVD)ジャケット写真より