多くの人が使用する検索エンジン、Google。検索画面のトップにはGoogleのロゴが表示されているが、何かしらの記念日などであった場合、Googleの綴りをもじった独自のロゴが表示される場合がある。
一枚絵のバナーの時もあれば、時には短いアニメーションやちょっとしたゲームが組み込まれている事もあり、非常に手が込んでいるものもある。
さて、本日4月27日のバナーはというと…絵本に出てくるような柔らかいタッチなのだが、全体は蓮の葉が浮かぶ暗い沼となっており、隅からは光る目をした化け物の黒い影が顔をのぞかせている、という恐ろしげなものとなっているのだ。なお、Googleのロゴは沼に生じた波紋で表現されている。
このロゴはノルウェーの画家であるテオドール・キッテルセン生誕160週年を記念して作成されたもの。彼はミュンヘンやパリに留学して芸術を学んだ後、祖国のノルウェーに戻って自国の自然や民間伝承を題材とした作品を多数発表した。1908年にはノルウェー王室から聖オラフ勲章を授与され、ナイトの称号も得たノルウェーの国民的画家なのである。
今回のGoogleロゴのモデルとなった作品は「Nøkken(ノッケン)」というノルウェーの水辺に住む精霊を描いたもの。精霊と言うと美しい姿の妖精のような存在を思い浮かべるかもしれないが、ノッケンはどちらかと言うと日本の河童のような妖怪に近い。変身する能力が有り、馬に化けて背中に乗せた人間を水中に引きずり込んだり、バイオリンの音色で人を池に導いて溺れさせてしまうそうだ。
他にもキッテルセンは北欧に伝わる様々な妖精や民間伝承関連の作品を送り出している。気になる人は、作品を探してみてはいかがだろうか。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)