タイというと「南国の楽園」のイメージを持たれる読者も多いだろう。
そして、あまり知られていないが、幽霊の存在や迷信が広く信じられている国でもある。
「家内安全厄払い」の儀式に、「銃弾から身を守るためのお守り」など、タイ人の生活には「お守り」が欠かせないという。
そして、問題になっているタイの政治闘争も対立候補に互いに黒魔術による呪いを公然とかけ合う。
タイの著名な心霊研究家のカポル氏によると、「西洋人は悪魔の存在を信じているのに対し、東南アジア人々は幽霊を信じている。この種の信心は、人を殺したら祟られる、という風に悪行を慎む効果をもたらしている」と説明する。
しかし、このような信心は健全なものだと言えるが、実はタイ人の中には、「人間の胎児を缶詰にする、という黒魔術儀式が成功をもたらす」という危険な迷信を信じている人たちもいる。この迷信を信じる人々は、缶詰にされた胎児の模造品を自宅や職場に御守りとして奉っているそうだ。
模造品なら信仰の自由かもしれないが、この迷信が悲惨な事件を引き起こした。
2013年、タイで黒魔術の儀式のためにオーブンで焼かれ、金色のアルミホイルで包まれた人間の胎児の遺体6体が発見された。胎児の遺体はタイ系イギリス人のシュウ・グンクン容疑者の手荷物の中で見つかり、遺体は台湾に運ばれる途中であった。
AFP通信によると、容疑者はある台湾人女性から数日前に人間の胎児を6500ドルで購入し、台湾でその価格の6倍の値段で売るつもりだったそうだ。
これからGWにタイに赤ちゃん連れて行かれる読者がいらっしゃるのであれば、くれぐれも黒魔術の生け贄用に誘拐されないよう細心の注意が必要かもしれない。
(深月ユリア ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)
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