筆者が子供時代、昭和40年代から50年代にかけてオカルト子供本に書かれ、誰もが驚愕した事件が『フィリピンの透明怪物』事件だ。
1951年の5月、フィリピンのマニラで事件は起こった。
裏通りをパトロール中の警官にいきなり若い女性が助けを求めてきた。話を聞くと姿の見えない何者かが自分に噛みついてくるという。
警官はこの18歳の娘・クラリータを警察署まで連行したが、取調べ室でも何者かが彼女に噛み付き、警官の見守る前で課の彼女の体に歯型のようなものがついていく。
信じられないことに、その歯型のような傷跡からも夥(おびただ)しい血が流れ出るのだ。驚愕した警官たちは、彼女を完全なる独房に入れて、全く誰も手出しが出来ないようにしたが、それでも怪物が襲いかかってきたとされている。
結局この『フィリピンの透明怪物』は周囲の人間には確認できず、被害者の彼女には黒い怪物に見えたという。
この事件はフィリピンの警察当局にも記録が残されているというが、果たして本当にあった事件であろうか。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)