スウェーデンの司教にして歴史家のオラウス・マグヌスは、著作にてノルウェーなど北欧の海に棲息する奇妙な魚について著作に残している。
中には怪物のような特性をもつ、非常に奇妙な生物に関する記述もある。
ノルウェーにはスワムフィスクと呼ばれる海の怪物がおり、数多の生物の中で一番の大食漢であるという。
この魚には胃が無く、食べたものは全て肉となるので外見はまるで脂肪の塊といった有様であり、成長は留まる所を知らず全身が膨れあがり、体も延びに延びるという。
それでもさすがに獲物が体に入りきらない時は、食べた魚を易々と吐き出す。口と腹が一つながりになっているため、詰まったりはしないのだそうだ。
外敵に襲われそうになった場合、スワムフィスクは大きな体を畳み丸くなる。非常に肉厚なので、重要な臓器まで敵の牙は入らないのだという。
敵が周囲にいる時は、常に飢えているスワムフィスクも餌を追いにいこうとはしない。そのかわり、体に蓄えた己の脂肪を食べて生き延びるのだという。
当然体は徐々に小さくなっていくが、敵に食べられてしまうよりはマシだということだ。そして、敵が去り危険がなくなると、再び餌を食べて太るのだという。
(加藤文規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)