『十津川警部シリーズ』『おみやさんシリーズ』など日本の推理ドラマになくてはならない俳優、渡瀬恒彦。
実兄である渡哲也と比べるとやや派手さは足りない俳優であるが、実は芸能界随一と噂されるほどの豪傑俳優だ。
まず俳優になるまでの経歴が凄い。渡瀬は当初、芸能界に全く興味がなく早稲田大学在学中に大手広告代理店・電通に就職。エリートサラリーマンとしてバリバリ働いていた。当時の電通マンはまさに筆舌に耐えられないほど過酷な労働環境であり、その中で実績を残せるのはエリート中のエリートしかいないという時代であった。
その後、兄・渡哲也の給料袋を見て俳優になることを決意。東映のあらゆるヤクザ映画に出演し『仁義なき戦い 代理戦争』では準主役を演じた。
『仁義』はその筋の方にも人気が高く渡瀬の熱演は「ホンモノそのもの」「(全出演者のなかでも)最も極道の空気を出していたのは渡瀬」と太鼓判をおされていたが、当の渡瀬は前述の通り早稲田出身のエリートサラリーマンであり、ある意味、極道の世界とは最も無縁の人物であったのだ。
さらに腕っ節は「東映最強」とも噂されるほどで、真相は不明だが元キックボクサーの安岡力也を半殺しにするほどであったという。
兄・渡も渡瀬については「勉強、喧嘩、どれをとっても弟には敵わなかった」というくらいに渡瀬は完璧な俳優であり、そのポテンシャルは「芸能界最強」とも噂されている。
(空桶歌右衛門 ミステリーニュースステーション・ATLAS編集部)
画像はDVD『狂った野獣』パッケージより