「日本にキリストの墓がある!」と言ったらあなたは信じるだろうか。
キリストといえば日本から遥かに隔たったエルサレム・ゴルゴダの丘で磔にされたというのが一般的な認識である。だが青森県にはなんとキリスト兄弟の墓があるのだ。『ダ・ヴィンチ・コード』も真っ青のミステリーである。「十来塚」と「十代塚」がそれだ。
場所は十和田湖の東、青森県新郷村の国道454号線沿い。余談であるが、十和田湖から近年キリストの姿そっくりの岩が発見され、海外からもクリスチャンが大勢訪れている。この辺りはキリスト関連の話題が豊富なのだ。
話を戻そう。古文書「竹内文書」の解読をした竹内巨麿によると、ゴルゴダの丘で処刑されたのは弟のイスキリで、キリスト本人は生き延びて日本へ渡ったとされる。十代塚にはイスキリの耳(あるいは遺髪とも)が埋葬されているとの事。
その「竹内文書」だが、今では学術的に偽書とみなされている。が、ここではひとまず真偽はさておき、この「みちのくロマン」を追ってみよう。
昭和10年(1935年)、竹内巨麿が丘の上で2つの土まんじゅうを発見した。これが十来塚と十代塚である。
この伝説によると、キリストが初めて日本へ上陸したのが彼が20代前半の頃。日本で修行を終えた後、一旦は帰国して布教活動を行うが受難に遭う。弟が身代わりに十字架刑を受け、キリストは生き延び紆余曲折を経て八戸に上陸。その後は「十来太郎大天空」と名乗り、ミユ子という女性と結婚、三人の子をもうける。106歳まで生き、戸来村に葬られた、というのがおおよそのストーリーである。なんとも壮大な伝説ではないか。
キリスト伝説の真偽はともかく、元々神聖な地であった事は確かである事から、近年はパワースポットとしても注目を集めている。「愛の人」キリスト、あるいは十来太郎が当地で結婚し子宝に恵まれた事、更には墓に奉納される「ナニャドヤラ」の唄が恋の歌である事からか、特に恋愛成就・縁結びの聖地として人気がある。巷ではここへカップルで訪れると幸せな結婚ができるというジンクスが熱く囁かれている。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
※画像はイメージ写真