誰かが実際に体験した、所謂実話怪談と呼ばれるジャンルは、実体験を元にしているだけあって臨場感があり、また真に迫っているため怪談でも人気のジャンルとなっている。
だが、そんな実話怪談の中には幽霊を見た等の心霊系の話だけではなく、妖怪を見たというものもある。
例えば、山口敏太郎氏の著作の読者であるTさんは子供の頃、近所の雑木林で河童らしき物に遭遇したという。といっても、林の中を歩いていたのではない。雑木林には道路に面した場所に池があったのだが、遊んでいたTさん達はいつのまにかその近くまで来ていたのだという。
一休みしようとした所で、池の中で何かが西日を受けて輝いた。よく見ると、池の中に人型の物体が浮かんでおり、よく見るとその人影はハゲた頭で背中に甲羅をしょっていたのだ。どう見ても河童にしか思えない生物に、子供達はパニックになったという。
この話は、現在TOブックスから発売中の「怪談・呪い家族」に収録されている。こちらは筆者を初めとする複数の作者による共著となっており、いずれも収録されている話は実話を元にした怪談である。
Tさんがどのような経緯をたどったのか気になる人は、是非本書を購入して確認してみて欲しい。