【虹の橋】ちょっぴりネコが愛しくなる話「猫の灯」

『虹の橋』伝説

伝説によると、私たちが愛した動物たちが現世に別れを告げると、最後の力を振りしぼって『虹の橋(レインボーブリッジ)』を渡ります。

この橋の向こう側には、仲間たちと走ったり、遊んだり、無邪気に楽しむことができる牧草地や丘など、全ての生き物が心地よく過ごせる広大な土地がそこにあり・・・そして、豊富な食べ物、水、太陽の光があると言われています。

さらに伝説によると、生前に病気、事故、または重篤なケガで苦しい思いをした動物たちは完全に回復し、喜びにあふれているそうです。ただし時々、飼い主のことを思い出して感傷的になることもありますが、私たちが愛した動物たちはとても幸せな来世を過ごしています。

そして、いつか私たちが虹の橋を渡るその日が来るとき、かつて愛した動物たちはそこで私たちに会ったとたん、喜びの声をあげてキスの嵐を浴びせ、その後は二度と離れることはないでしょう・・・




大学の先輩に、こんな話を聞いた。

彼女が高校生だった時。部活で遅くなり、最寄り駅に着いた時にはすでに夜の十時を回っていたという。(※先輩が言うには、結構遠い所の学校に電車で通っていたらしい。田舎なので、電車も1時間に1本ぐらいしかないらしい)時期は冬場。空は暗く、月も星の光もなかった。

家の人に連絡すると、さすがに危ないので、タクシーで帰ってこいと言う。駅前のタクシー乗り場には、2、3台のタクシーが客待ちをしていた。先輩はタクシーに乗り込むと、自分の家まで行ってくれるように頼んだ。

先輩の家は駅から少し離れた所にあり、集落の入り組んだ道を一度通り抜けなくてはならない。先輩は、初めはタクシーの運転手に道案内をしていたが、途中から運転手に道を訊かれなくなった。

結構入り組んだ道を、タクシーは迷うことなく進んでいく。

『何度か通り抜けた事があるのかな?』先輩はそう思ったという。

すると、運転手が「ああ」と小さく声を漏らした。そして、「お客さん・・・」。

「どうしたんですか?」先輩が聞き返す。そこで先輩も、不思議なことに気付いた。

今、タクシーは田んぼの間に延びる農道の間を走っている。その、農道の両脇に、等間隔にぼんやりとした灯りが点っているのだ。この農道には、街灯がない。ガードレールや反射板なども設置していない。

『何の灯りだろう』、そう先輩が思っていると・・・「気付きましたか?」タクシーの運転手がそう言った。

「ああ、はい???」と先輩が答えると、「猫が好きなんですねぇ・・・・・・だいぶ可愛がってるんですか?」

「え?」

確かに、先輩は猫好きだった。大抵の動物が好きだが、近所でも猫を飼っている人が多かったせいか、先輩も猫を特に可愛がっていた。今も家には2匹の猫がいるし、怪我をしている猫を拾ったり、介抱して病院に連れて行ったりした事も一度や二度ではない。

「猫ちゃんが待っていますよ」運転手がそう言った時、先輩は見た。

蛍のような、蝋燭のような灯りを掲げる、何匹もの猫の姿。ぼんやりと光る猫たちは、等間隔に並んで、先輩の家までの道を照らし出している。

「さっきから、猫が案内してくれているんですわ」

手前の集落に入って暫くしてから、運転手は道の傍らにいる猫に気が付いた。

初めは轢きそうだな、とか飛び出てくるなよ、などと思っていたらしい。だが、次第にその猫たちが、先輩の指し示す道の曲がり角にいると言うことに気付いた。

『案内しているのか?』、そう思い、猫に従って車を進めていくと、集落を抜けて農道に出た。運転手の目の前に広がったのは、先程の猫たちが灯りを掲げて農道に並んでいる光景だった。

猫の灯りの列は、そのまま農道の先にある一軒の家に続いている。先輩の家だ。

先輩の家には門の後ろに広い庭があるのだが、そこがまばゆく光り輝いている。何十匹もの猫たちが、灯りを手に、先輩の帰りを待っている。迷わないように、危ない夜道を照らし導いている。

そう感じた先輩は思わず口から出た溜息をとめることが出来なかった。

夢特集/猫になってしまった不思議な夢、なかなか家から帰ってくれない子供 ATL3rd 124

(山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーション・アトラス編集部 猫物語)

画像 StockSnap / PIXABAY

 

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