先日、本アトラスでは2007年に集中的に目撃された機械的なUFO「ドローン」に関して紹介した。
現在ではほぼフェイクといわれているドローンだが、実は似たような形状のUFOはこれまでにも数が少ないが報告されていない訳ではなかった。
1999年7月、イタリアにて視界の男性が撮影したというこちらの物体は、膨れた胴体部に長い機首、尾翼や方向舵に見える突起物が後部に生えているように見える。まるでフィクションの中に出てくるロケットや宇宙船のようだが、目撃者曰くかなりの大きさがあり高速で飛行していたものの、ジェット機などがたてる飛行音は聞こえなかったという。
この物体の正体に関しては、証言からUFOの母船ではないかという説と、アメーバ状にも見えるためスペース・クリッターではないかという説が出てきていた。が、この1回しか目撃例が存在しないため、詳細は不明のままである。
これと似たUFOが2009年4月17日、アメリカはニューメキシコ州のアルバカーキでも撮影されている。こちらのUFOは以前紹介したドローンにより近く、環状の物体の周囲に6本の棘が生えているという形状になっている。雪の結晶を思い浮かべる人も多いかも知れない。内部にも機構が存在するのか、輪は二重になっているようにも見える。
実際、このUFOは久々に登場したドローンUFOではないかと注目を集めた。
だが、海外のUFO研究家が写真を鑑定した結果、これはフェイク写真であると気が付いた。まず、UFOは空に浮かんでいるようだが、離れた所にアンテナが確認できる以外は空ばかりで周囲に何も写っていないため、比較対象になるものが近くに存在しない。
そこから写真で見るよりも、この物体が非常に小さいく近くにあるのではないかという仮定が出た。例え小さかろうと、このように幾何学的な飛行物体や飛行する生物は存在しないはずなので、やはり謎の物体を撮影してしまったのでは?という意見も出たのだが、研究家はこのUFOとよく似た形の小さな物体を発見してしまう。
それは、車のフロントガラスに付いたひび割れだったのだ。物体が跳ねてきてフロントガラスと接触した場合、その物体が小石など非常に小さいものだった場合、接触した部分が丸くえぐれ、そこから放射状にひびが入る事がある。空を透かしてこの傷を撮影すると、問題のUFOそっくりに写ってしまう事が判明したのだ。
もちろんこのひびは必ず幾何学的な模様を描くわけではない。非対象の形状になることもあるので、1999年にイタリアで撮影されたUFOの正体も、このフロントガラスのヒビであった可能性がある。
いずれも可能性の話でしかないが、よく似た形状のものが確認されると言うことは、同様の形状のUFOが写ったという写真についても疑問符を付けざるを得ないだろう。
(飯山俊樹 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)