中学の頃から自分の部屋に独りで居る時、ふと気が付くとそこが自分の部屋でなく見た事の無い田舎の風景の中に立っている事がありました。
それは一瞬の事で、すぐに自分の部屋で気が付くのですが度重なる為、もしかすると土地の記憶が私の眼に写り込んだのかと
何の根拠もなく考えておりました。
両親に確認して見えた景色の詳細を話したところで両親も知らない景色であるし、夢で片付けられることが殆どでした。
それらが夢でない事を確信できたのは30年ほど前、付き合っていた女性のアパートの一室で深夜3時過ぎ、ふと目覚めて隣で寝息を立てる彼女に目を向けた時、そこには知らない男性が眠っていました。
しかも頭には丁髷(ちょんまげ)が有り色黒の武骨な表情をした若い男でした。
私は飛び起きて部屋の電気を点けましたが、途端に元の彼女に戻っていました。
また、別の日に同じ様な時間帯で目覚めた時には彼女の姿は無く、そこは昼間の見知らぬ明るい部屋の中で小さな座卓と木造の大きな本棚と古い箪笥だけが部屋に置かれ、白いカーテンが揺れる窓の外にはのどかな田舎の風景が広がっていました。
本棚の本を手に取ると突然、現実の世界に戻り、気味が悪いので寝ている彼女を起こし、自分が見た部屋の間取りや窓から見える風景を彼女に話して記憶に無いかと問い質しました。
その部屋は先日亡くなった祖父の部屋だと教えられました。
私は「おじいさんが今も心配してくれているのだね。僕に代わりに守ってくれと言っているのかも」・・・なんて適当な事を言いましたが、それからまもなく私達は別れてしまったので、おじいさんは怒っているかもしれません。
こんなふうに誰かと話していると、ふっと景色が変わったり相手の風貌が変わって見える事が時々起こりました。
それを相手に話してしまったのをきっかけに前世が見える人みたいな評判が職場で広まり、一時は見えたままを前世かどうかは分からないけどという前置きを述べたのちに話していましたが、余りにその後の疲労感と頭痛が酷い為断るようになって、今はその要望もなく忘れられ楽になりました。
ところが5、6年前、職場の送別会の一次会から二次会へと向かう道の途上、私は職場を辞める女性の手を引いて二次会へと向かっていましたが、突然、景色が焼け野原に変わり、沢山の武者の死骸の中を歩いていました。
夕刻の真っ赤な空にあちこちに立ち登る黒い煙と野を焦がす炎、血だらけの死骸の折り重なる地表の上を私は幼い少女の手を引いて歩いていました。
ここは戦国時代の戦場なのかと思いましたが、『この娘は誰だ』『私は何処に連れて行こうとしているのか』、私は立ち止まって黒く煤けた黄色い着物の少女を見詰めました。
突然、視線が上空に浮かんで私自身が視界に入ってきました。
真っ赤にただれたような皮膚にボロボロの布を肩から引き摺って歩く私はまさに鬼そのものでした。ただれた真っ赤な顔に吊り上がった紺色の眼球、髪は焦げ茶で縮れ毛。角は確認出来ませんでしたが私には鬼にしか見えませんでした。
全身に強烈に寒気を感じて、ふっと現実に帰りました。
私は舗道に蹲り、女子社員は不安そうに私を見詰めていました。
私は具合が悪くなったと言い二次会に行かず そのままタクシーで帰りました。帰りながら、もしかして自分の前世の記憶なのかと考えましたが、だとすると余りにも恐ろしく、誰にも話せず相談も出来ず今に至ります。
(アトラスラジオ・リスナー投稿 白狐さん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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