事件

老いた患者達を次々と殺した看護士たち オーストリア「死の天使」事件





今月半ばに神奈川県横浜市の病院にて、入院していた88歳の男性が死亡した事件は今も捜査が続いている。

この事件は20日、寝たきりの状態だった男性が午前4時頃に容態が急変した事に端を発する。病院関係者が男性の点滴が泡立っているのを発見し、点滴袋の中に洗剤などに含まれている界面活性剤が混入されてた事実が判明した。また、他の80代男性も同様の中毒症状で死亡していた事が判明。

病院関係者の証言から、この病院では7月頃より病院の4階に入院していた患者の容態が急変し、死亡に至るケースが頻発していたという。元々4階は終末医療や高齢の患者が中心だったそうだが、それにしても容態が急変するケースが相次いでいたため、4階は呪われているのではないかと関係者の間で噂になっていたという。

同様に、病院で容態が急変する人が続出したため、警察が捜査を行った所、実は殺人事件であったというケースは国内外でも度々起きている。

有名なものが、1989年にオーストリアの首都ウィーンの国立病院で起きた「死の天使」事件だ。




国立ラインツ病院はオーストリア最大の総合病院であり、入院患者も多かったのだが、それにしてもある時から著しく死亡率が上がっていた。中でも高齢者の病棟での死亡率が異様に上昇しており、警察が病院関係者に聞き込みを行うことになった。また、病院側も独自に死亡報告書を確認してみると、急激な血圧の低下など人為的な疑いが確認された。

こうして捜査網が狭まっていく中、ステファニヤ・マイエルという一人の看護士が名乗り出た。そして、主犯格のワルトラウド・ワグナー、イレーネ・ライドルフ、マリア・グルーベルと更に三人の看護士の関与が判明したのである。

彼女らはあくまでも「高齢の患者がかわいそうだったから」、つまり「慈悲」で患者を手にかけたと告白した。

老い先短い老齢の患者で、病気が治る見込みも低いと思われたため、故意に生命維持装置を外したり、肺に水を入れたり、モルヒネやインシュリンを投与していたのだという。

彼女たちは自分たちを「死の天使」と呼び、患者たちを早く楽にしてあげたかったと証言している。

彼女らは2年間に渡り49人の患者を殺害した罪で刑が言い渡されたが、これはあくまで確認されただけであり、実際は数百人に上るのではないか、と考えられている。

(ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)