
ある山村に伝承される妖怪の話。名前を「ワニ食いワシ」と呼ばれている。
非常に大きなワシだと言われており、海に行ってはサメを捕獲する。そしてサメの肉を喰らい、残りを村人に分け与える。山の中でかじった跡のあるサメの遺体が転がっていることがある。これは「ワニ食いワシ」の仕業であると言う。
以下は山口敏太郎の見解である。
日本では古来からサメのことをワニと呼んできた。奈良県などでは山村でサメのお刺身を食べる習慣がある。この辺は、浜辺の漁村と山村との交易が想像され、栄養補給として海の幸が山ではたいそう好まれたことがわかる。
サメの骨が山奥の村で見つかることもあり、神として信仰の対象になっていたこともあるようだ。磯部神社などに祀られる「イソベさま」などはサメの神様であり、漂流中にサメが陸地まで誘導してくれたと言う話も残されている。
我々日本人は古代からサメを崇めてきた。その証拠に「古事記」「風土記」などにサメに関する記述が多く、トヨタマヒメの正体はサメであると言われている。
2月1日にはイルカがサメ詣を行うと言われており、イルカにしつこく絡まれた時は「磯部様のお守りを持っている」と言えばイルカは退散すると言われた。
この妖怪というか未確認生物というか「ワニ食いワシ」は、サメの神事を行っていた神職のことを指しているのかもしれない。
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怖い話まとめブログ・雷鳥一号まとめより「山の不思議な話5(完)」
他にも現在アトラスで収集している現代妖怪は次のようなものがある。「八尺さま」「めかぁ猫」「むしゃくるさま」「口裂け女」「ミカサ」「テンポポ様」「挑戦ババア」「ゴム人間」「コイヌマ様」「笑い女」「包丁さま」「顔野菜」「蓑坊主」「白ん坊」「ヒサル」「朽縄さま」「ムシリ」「とわとわさん」「隙間さん」「人面犬」「のどかみさま」「アカマネ」「ぐにゃぐにゃおばさん」「トイレの花子」「大根さん」「口裂けヨン様」「えんべさん」「ヒギョウさま」「ミヤウチさま」「おっぺけ様」「ヒザマ」「福鼠」「やまけらし様」「ヤマノケ」「嫌われ虫」「こだまさん」「つくし鬼」「サンコーさん」「さにゃつき」「クロスマさん」などである。
出典:怖い話まとめブログ・雷鳥一号まとめより「山の不思議な話5(完)」
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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