幸運を呼ぶネズミたち 妖怪「福鼠」





 江戸時代の文献、「奇異珍事録」にて紹介されている妖怪。とはいえ、見た目はごく普通の鼠だったという。

 ある家で神棚として松の板を吊るしておいたところ、いつの頃からか数匹の鼠が現れるようになった。どの鼠も口に銭をくわえてやってきて、板の上に置いていくことを繰り返すので、なぜこのような事を繰り返すのか主人はしばらく様子を見守ることにした。

 しかし、毎晩の鼠の参詣で銭の重みで板が折れそうになってしまった。そこで主人が板に支えをつけたところ、鼠は全く来なくなってしまった。妙なこともあるものだと思った主人は、後に残された鼠の残した銭を近所の神仏に供えてやったという。

 一気に大金が舞い込んでくる、福の神のような「金霊」という妖怪もいるが、こちらはずいぶんとささやかな恵みである。また、主人が得た金を代わりに神仏に届けにいくくだりも微笑ましいものがある。

(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

イメージ画像©PIXABAY




関連記事

最近の投稿

ページ上部へ戻る