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アメリカの象徴にもなった謎の女性「アンジェリンの看板」その3

ついに本人が姿を表した!?増殖する謎の「アンジェリンの看板」その2より続く

1980年代のアメリカに突如出現し、町中に増殖していったセクシーな女性「アンジェリンの看板」。ようやく本人が姿を現したが、大都市はおろか世界中へも進出した莫大な広告費の出処など、明かされない謎は多かった。

この頃、アンジェリン本人がロサンゼルス市内で人々に目撃されるようにもなった。彼女のトレードマークであるピンクのコルベットは看板でも使われており、その車から降りる姿などを発見されるようになったのだ。

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ネット上ではアンジェリンの目撃情報が飛び交い、様々な媒体でインタビューにも答える様にもなり、彼女の知名度は高まっていった。ファンクラブの会員数は2万人にのぼり、「アンジェリンの看板」はハリウッド進出も果たす。

1995年の映画「ゲット・ショーティ」では主人公が「アンジェリンの看板」を見上げるシーンがあり、1997年の映画「ボルケーノ」では火山の噴火によって彼女の看板が吹き飛ばされる。近年では2012年のミュージカル映画「ロック・オブ・エイジス」で、再現された80年代の町並みの中で「アンジェリンの看板」が登場している。

ここまでくると、「アンジェリンの看板」はもはやアメリカの町並みを象徴する景観のひとつだ。

アンジェリンは「ビルボード(看板広告)の女王」と呼ばれる様にもなった。

さらに、アンジェリンは2003年にカリフォルニア州の州知事選挙にも出馬し、俳優アーノルド・シュワルツェネッガーと選挙戦を争うことになった。さすがに人気俳優には遠く及ばず、アンジェリンの得票数は2500票に留まり落選した。

ところで、広告費用の捻出方法や、不可解な看板広告を出した理由とはなんだったのか?

多くの媒体で同様の質問をうけているが、広告費用については「ファンクラブの会費やグッズ販売の収益、それに投資でまかなっている」と答えており、「大金持ちの後ろ盾がいるのでは?」という憶測を明確に否定している。

ファンクラブが2万人いるとしても年間で4000万円の売上である。グッズ販売を加えても、莫大な広告費用を捻出することは到底できない。

だとするとアンジェリンは相当にやり手の投資家なのだろうか?いまだ明確な裏付けはなされていないようで、真実なのかどうかよく分かっていない。看板広告を出した理由の方は、「大きいものが大好きだから!」などと答えており、まったく要領を得ない。さらに、「成功の秘訣は?」と聞かれて「幽体離脱の経験を持つこと」と答えたり、質問の多いインタビュアーの手にいきなりピンを刺してみるなど、油断ならないエキセントリックすぎる発言や行動も多い。




彼女がセックス・シンボルになる夢を実現出来るのかどうかという点も気になる。彼女の写真を見ると、確かにセクシーなお姿をしているものの、大分お年を召されているような・・・。知名度を上げるには、あの不可解な看板広告では時間がかかり過ぎてしまったようだ。

実物の彼女の姿にご興味のある方は、ネットで「angelyne」と検索するとたくさん出てくるので、ぜひ探してもらいたい。

アンジェリンは存在自体がいまだつかみどころのない都市伝説のようで、結局のところその素性は謎のままだ。だが、彼女は彼女流のやり方で「女王」と呼ばれる存在にまで上り詰めた人物であることだけは、間違いなく事実である。

(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 動画 ©Hollywood.TV YouTube