江戸時代は元禄年間の頃のこと。徳島にお花という大層美しい娘がおり、播州の殿様に見初められて嫁いでいきました……が、殿様の寵愛を一心に受ける彼女の美貌は、他の側室達の妬みと恨みを買い、ついには殿様の不在中に殺されてしまいました。それからというもの、城内で怪異が起きるようになりました。
ある夜のこと、殿様の夢枕にお花が立ち、自分が殺されてしまったことと女の性の深さを語りました。お花は今後は性の御仏となることを約束し、殿様も城内に祠を作って彼女を供養しました……という話が、ここ林下寺の『お花はん』こと『お花大権現』に伝わる伝説である。
境内には紫の薄布をまとったお花の艶めかしい像があり、その周りには多くの男根が並んでいる。一見グロテスクかつエロチシズムに溢れた猥雑な空間に見えるが、お花はんの周りにある物は全て彼女のご利益に預かった人からの感謝が込められた奉納物なのだ。
実際、お花はんのご利益は相当なものがあり、現在ではパワースポットとして知られている。縁結びにはじまり家内安全、子宝まであらゆる願いに答えてくれるという事なので、恋愛等でお悩みの方は彼女に会いに行ってみてはいかがだろうか。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像は東みよし町商工会HP「東みよしでそこ行くか!?」より