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江戸時代には東京に2mの積雪が!今よりも雪が多かった江戸の町

今年は冬が訪れるのが早いようで、北海道でも初雪が早く24日には東京でも初雪が観測された。慣れない雪の影響で、都心では交通機関に乱れも生じていた。11月に東京に雪が降るのは54年ぶり。奇しくも54年前も東京オリンピック開催を前に控えた年であった。

今でこそ少量の雪でもパニックになってしまう都心だが、江戸時代の浮世絵や当時の記述などを見てもわかるように、かつて東京には雪が降っていた。そこそこの積雪もあり、人々は厳しい寒さに耐えながらも風情を楽しんでいた事が伺える様子が、江戸時代の文献から見て取ることができる。また。日本の妖怪で有名な「雪女」だが、小泉八雲が「怪談」で描いた雪女にまつわる代表的な話は、実は現代の東京都青梅市が舞台であったと言われている。




どちらも同じ地域を描写したものであるはずなのに、なぜ現代と江戸時代でこれほど降雪量が違うのだろうか。

実は、江戸時代の18世紀は氷河期に入っていたと考えられるという。過去の平均気温の変動を調べると、西暦1400年頃から1850年前後は「小氷期」と呼ばれ世界的に寒冷化が進み、現在と比較すると気温も1~2℃は低かったとされている。気温の変化は天候不順の頻度が多くなり、降水量の変化や異常気象が頻発する可能性が高くなる。日本ではちょうど江戸時代頃に小氷期が訪れていたため、「江戸の町に雪が降り積もる様子」が描かれた文献や浮世絵が登場することになるのだ。

なお、この小氷期による気温低下の規模や時期は地域によって差があるとされており、中国では日本より早く16世紀頃に小氷期が訪れ乾燥化が進行していたとみられている。

江戸時代の文献によれば、1773年(安永2)、1774年(安永3)、1812年(文化9)の冬には隅田川が凍り、1822年(文政5)2月22日江戸は品川で2メートルの積雪があったとされている。現代の東京に当てはめてみると、相当な寒波と大雪であったことが容易に想像できる。




現代より冷え込みも厳しく、エアコンなども存在しない時代であったが、人々は火鉢や炬燵などを考案して寒さをしのぐ方法を生み出し、また白銀の世界になった町の光景を楽しむ、花見ならぬ「雪見」を行ったり、雪遊びをして楽しんでいたという。

今も昔も日本人は、気候が厳しくとも風情を感じ、四季を楽しんでいたのだ。

(飯山俊樹 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

※画像:江戸時代の日本橋近辺(歌川広重 東都名所 日本橋雪中)