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写真週刊誌の潮目が大きく変わったビートたけし「フライデー襲撃事件」

フライデー襲撃事件とは、1986年12月9日にお笑いタレントビートたけしがその弟子たちで構成されたたけし軍団数十数名と共に、講談社にある写真週刊誌「フライデー」編集部を襲撃した事件である。

当時すでに数多くのレギュラー番組を抱えていた人気タレントの襲撃事件は日本全国に衝撃を与え、また写真週刊誌のありようが大きく問われた出来事となった。

売れっ子として活躍していたビートたけしは、その反面メディアやマスコミから必要以上の取材が押し寄せられており、その苛烈さは家族にまで及んでいた。子どもを私立の学校の入学試験に連れて行くところを撮影され、「子どもの写真が週刊誌に掲載されるようでは入学させられない」と学校側から言われたというビートたけしの夫人の証言もあり、苛立ちと不満が蓄積され続けた。

襲撃の直接の原因となったのは、1986年12月8日のこと。当時、ビートたけしと交際していた20代の専門学校生の女性に対して、フライデーの契約記者が彼女の通う学校の校門付近で声をかけた。これに対して女性が立ち去ろうとしたところ、記者が前方に立ちふさがりテープレコーダーを女性の顔に突きつけ、あげく手をつかんで引っ張るなどの強行を図った。このため、女性は頚部と腰部に全治2週間の怪我を負うこととなってしまった。

翌日、女性から連絡を受けたビートたけしは激怒し、講談社に謝罪を求める抗議電話をするも正当な行為であるとして謝罪を拒否されたため、「今から行ってやろうか」と通告をした。

12月9日の午後3時すぎ、番組収録後にダガルカナル・タカ、そのまんま東、グレート義太夫、ダンカンなどたけし軍団のメンバー11人を引き連れて講談社本館内にあるフライデー編集部に押し掛けた。そこでも謝罪を要求するも編集部は一切謝罪に応じず、また挑発的な発言を行なったことで、堪忍袋の緒が切れたビートたけしによる暴行傷害へと発展した。




粉末消火器を噴射し、また室内にあった雨傘などで殴打、殴る蹴るの暴行によって編集長や編集部員らに骨折などを負わせた。

その後、彼と参加した軍団員は現行犯で逮捕されることとなり、また取り調べに素直に応じたことで逃亡・証拠隠滅の恐れなしとしてすぐに釈放された。

釈放後、彼らは当時所属していた太田プロダクションから無期限停止を言い渡され、テレビ出演が自粛されることとなった。この事件の余波は大きく、当時の官房長官後藤田正晴も「ビート君の気持ちもよくわかる」と発言したことでも話題となった。

事件後、講談社側が「言論の自由を封殺するものだ」と主張したものの、大手メディアや世論からは「毎週プライバシーの侵害をやっている写真週刊誌が言えたことか」との批判が巻き起こり、またこの事件を機にフライデーの女性読者が離れたこともあって売り上げが激減することにもなった。

この傾向はフライデー以外の写真週刊誌にも影響し、当時売り上げが下位であった週刊誌は軒並み廃刊に至った。この事件は写真週刊誌のあり方が問われる大きな契機になったといえる出来事であった。

この事件については、現在に至るまでビートたけし本人や軍団員などの証言から、より詳細な状況が各所で語られている。

講談社側とはその後に草野球を行なったことで和解したとのことであり、また軍団員については痔の手術で入院中あるいは愛人の家で浮気などの理由により参加しなかった者がいたこともわかった。また、より取り返しのつかない事態を想定し待機を命じられた団員もいたという。

事件後には、『オレたちひょうきん族』内でこの事件をネタにしたコントを本人が行ない、また週刊誌なのに1枚も襲撃現場の写真が撮られていないなどネタ的に扱われることもあった。

なお、この謹慎中ではかつて土曜日8時の番組で争っていた志村けんが、ビートたけしに金銭的援助をしていたことが明らかとなり、このことで彼自身志村へ心から感謝し、それ以降頻繁に番組で共演するほど仲が深まったという。

【参考記事・文献】
フライデー襲撃事件
https://x.gd/qNA9e
たけし軍団がFRIDAYで語った1986年襲撃事件の裏側 あれで写真週刊誌の潮目が変わった
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/319947
事件から30年 「フライデー事件」が問いかけるもの
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/80d1ef41b6e60a9c893907bdac3eabfbb2780055
フライデー襲撃事件とは?原因は彼女?参加メンバーや女性のその後は?
https://entertainment-topics.jp/148541#headline_4851738

(ZENMAI 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 ニックジャガー / photoAC