妖怪

【実話 ちょっと怖い話】 たんころりん

 89年秋頃・大阪府内の大学校内にて
 
 大学生の時、友達が「背中が痛い」と言うので、相方と見てみたら彼女の背中に、色は茶色で深いシワに埋もれるような目をした(イナズマンに出てくる)サナギマンに似たしわしわの顔」が張り付いている(というか、浮かんでいる)のです。




 人の霊とは感覚が違うので、妖怪に詳しい友人に相談することにしました。

 私たちの話を聞いて、その人はじーっと考えてから「・・・たんころりん・・・!?」と言いました。

 古いカキの実が化ける、と言われる人面柿の妖怪です。

 そういえば、学校の用務員のおっちゃんがサークルの部室に”学校でとれた”というカキを数個差し入れてくれたのですが、誰も手を着けず、数日間放置していたモノをそのコが食べたのを急に思い出しました。

 どうやら、そのカキが『たんころりん化』していた?ようです。




 たんころりんを名指ししたその友人は学外の人間なので、学校の柿の話なんぞ知るよしもありません。

 数日で、たんころりんを食べた友達の背中の痛みは収まったようです。

 見た所、たんころりんは居なくなっていました。

 一体どこにいったのか・・?

 もしかしたら消化されて、トイレから下水に流れていったのかも知れません・・・。

 
(あーりん ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)