『夜行日』という大晦日や節分などの節目の日、夜の辻に百鬼夜行を引き連れながら現れるのが『夜行』である。
全身毛むくじゃらで一つ目、首の切れた馬を乗り回して街道を練り歩くされている。この夜行と行き会ってしまうと首切れ馬に蹴り殺されたり、夜行に投げ飛ばされて殺されてしまうと言われて恐れられていた。
また、もしこの妖怪に遭ってしまったら、草履を頭に乗せて地に伏せていればよいとされた。
この妖怪は京都は平安京の二条通りで見られた話が複数伝わっている。この時遭遇したのはいずれも貴族であったが、『尊勝陀羅尼』の護符やこれを唱える事で難を逃れたという。
もともと夜行とは深夜に行われる神幸のことであり、夜行を行う神主を見ると足が萎えてしまうとされていたため、むやみに神事の邪魔をしないようにと注意され、畏れていたことが妖怪変化への恐れへ変化したと言えるだろう。
なお、鬼に関するアーカイブはこの他にも、鬼と戦った芸人おぎやはぎ、 鬼の御朱印がもらえる鬼岩公園、岡山県に残る鬼伝説「温羅」、鬼の手形が残る岩のある神社、二つの安達原伝説、鬼婆の話、鬼婆伝説が日本中にある理由、鬼が作った刀、鬼の首が占ってくれる。吉備津の釜、大宮の鬼婆、黒塚の伝説、永井豪が呪われた鬼の首、鬼と呼ばれた人々を討った坂上田村麻呂、鬼は外と言わない集落、鬼の角を祀る徳島県の寺 などがよく読まれている。
(加藤史規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像©wikipedia 『河鍋暁斎による肉筆画 百鬼夜行絵巻に登場している妖怪たちを題材』