現在、全世界を沸かせているリオデジャネイロ五輪。卓球の水谷隼選手が銅メダリストになるなど、日本人選手たちによるメダルラッシュが続出して、日本国民を歓喜させる状況が続いてる。
このような状況の中で、“あるメダリスト”と“ある特撮番組”に、ちょっとした奇妙なシンクロ現象が発生していたのを発見した。
今回の記事では、その関連性について論じていきたいと思うので、読者諸氏には、しばしお付き合い願いたい。
まず、その対象となるメダリストは、柔道女子78㎏超級の3位決定戦で、トルコのケイラ・カイト選手に勝利し、銅メダルを獲得した山部佳苗選手その人である。
そして、今回関連対象となる作品とは日本が誇る特撮ヒーロー番組の名作『ウルトラセブン』の第12話「遊星より愛をこめて」だ。
本エピソードは、同話に登場するスペル星人の児童書付録の記述が原因で、現在では欠番扱いされており、市販の映像ソフトでは視聴不可となっている。
この作品は、ロカルノ国際映画祭で最高賞を獲得した実相寺昭雄氏が監督を務めており、脚本は『男どアホウ甲子園』の漫画原作なども手掛けた佐々木守氏が担当していた。
2人は名コンビとして、その後も数多くの傑作を世に送り出してきたが、残念ながら両者ともに2006年に亡くなられており、今年は没後10年目に当たる。
前述した12話に登場するゲストだが、山辺早苗(演じていたのは『ウルトラマン』でフジ隊員を演じていた桜井浩子さん)という、山部佳苗選手と非常に似ている名前なのだ。
これは単なる偶然なのだろうか?
否、筆者には両巨匠の没後10年目に発生したこのシンクロ現象には何かのメッセージが込められているような気がしてならない。
事実、『ウルトラセブン』でヒロインのアンヌ隊員を演じたひし美ゆり子さんもこのシンクロ現象に反応し、山部選手にエールを送るツイートを投稿し、コアなウルトラファンが反応を示している。
今回、取り上げた「遊星より愛をこめて」は、先ほども少し触れたが、1970年に発売された児童書の付録カードに、スペル星人が「被爆星人」と記述されたことが原因で欠番扱いされてしまっている。
当時の朝日新聞では「被爆者を怪獣扱い」などと抗議されているが、作品の内容自体は、決して被爆者を差別扱いした物語ではない。
広島に原爆が投下されてから、70年以上の時間が経過している。
今回のオリンピックと12話のシンクロ現象だが、山部選手と、結果的に被爆者がテーマとなってしまった同話の存在を世間に思い出させることにより、“原爆投下の事実を決して忘れず、この悲劇を繰り返してはならない”という想いが起こした奇跡だったのではないだろうか?
それは、もしかしたら10年前に他界してしまった実相寺氏と佐々木氏の魂によるお力なのかもしれない……。
平山賢司(サブカルライター)(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)