オカ爺は石垣島で生まれ育ち、30年ほど農業と畜産と漁で生計を立てていましたが、その後上京してから30年過ぎました。石垣島には某オカルト月刊誌を置いていませんでした。オカ爺は上京してから間もなく、某オカルト月刊誌と出会い、それから30年以上も愛読しているオカルトの強者です。
オカ爺のおじいさんは奄美大島で漁をしながら、まじない師として生計を立てていました。オカ爺が石垣島で実際に体験した、オカルトにまつわる昔話をご紹介させて頂きます。
【石垣島】
※石垣島の人口は約4万7千人で、沖縄県石垣市に属しており、沖縄県内では沖縄本島、西表島に次いで3番目に広く、地理的には日本の大半の地域よりも台湾に近距離な場所に位置している。
※奄美大島の人口は約6万4千人で、九州の南方海上にある島。
小さなお坊さん
わいが小学4年生の頃じゃった。学校から自宅に帰ると、数件隣の家主さんがわいの家にやってきて「同居しているおじさんの頭がおかしくなってしまい、訳の分からないことを喋っているから一緒に様子を見に来て欲しい。」と頼まれたので、家主さんと親父とわいの3人で家主さんの家まで様子を見に行ったんじゃ。そうしたらな、おじさんが指をさして「見えるだろっ見えるだろっ、坊さんが飛び跳ねている、小さな坊さんがピョンピョンと飛び跳ねているだろうっ」と騒いでいたので、おじさんが指をさしている方向を見てみると、袴を着た拳程度の小さなお坊さんが、ぴょ~ん、ぴょ~んと本当に飛び跳ねておったのじゃ。あっけにとられて小さなお坊さんを見ていると、家主さんと親父には小さなお坊さんの姿が見えていないらしく、わいはおじさんと一緒に小さなお坊さんを指さしながら説明をしたんじゃが、とりあえずおじさんを外に連れ出して、落ち着かせることにしたのじゃ。それっきり小さなお坊さんや小人は見たことがないんじゃが、あれは不思議な体験じゃった。上京してから小さなおじさんの話を聞いたことはあるんじゃが、恐らくその姿が見える人と見えない人がいるんじゃな。小さなお坊さんは、幽霊とか霊体のように見えるのではなく、おじさんとわいには人間がそのまま小さくなったように、実体で見えていたんじゃ。
つちのこ?石垣島に住んでいた頃につちのこの話を聞いたことはないな・・・
牛の伝説
西表島のとある地域に、キャプテンクックの財宝を探しに行った時のことじゃ。その地域ではな「この土地で牛を食べてはいけない」と古い伝承があったのじゃ。そうしたらな、二人の男が食用にするための牛を連れてやってきたので、その土地に住んでいたばあさんが土地の伝承を説明すると、二人の男は「そんなの迷信に決まっている。」と言って、その場で牛を調理して土地の人達に振る舞ったのじゃ。そうしたらその夜、大嵐になってな、二人の男と数人の年寄りが泊まっていた家が流されてしまい、二人の男は助かったんじゃが、年寄りが数人行方不明になってしまったのじゃ。偶然かどうかは分からないけどな。
財宝?財宝も見つからんかった・・・
まじない
わいのおじいさんは奄美大島でまじない師をしていてな、わいがおじいさんの家に泊まっていたある日のこと、近所のおばさんが子供を連れて「子供が魚の骨を喉に詰まらせたようで、おまじないでなんとかならないか?」と相談にきたんじゃ。そうしたらな、おじいさんは畑に行って韮を取ってきてな、韮を子供にくわえさせて、子供の頭の上に箸を十文字にして乗せて、呪文を唱えたんじゃ。そうしたら、あっという間に子供の喉に支えていた魚の骨が取れたのじゃ。
腕の太い血管が切れる大けがをした女の子が、腕から血を吹き出しながら助けを求めてきた時はな、おじいさんが傷口を親指で押さえて呪文を唱えただけで出血が止まってな、その後、傷口を3針縫うだけで済んだんじゃ。
おじいさんがわいの家に泊まりに来た時、飼育していた豚が餌を食べないので困っていたんじゃ。試しにおじいさんに相談してみたらな、はさみで切ったタオルに石油を染み込ませて豚小屋の前で燃やして呪文を唱えたんじゃ。そうしたら突然、豚が餌をガツガツと食べ始めたのじゃ。
お弁当を青虫に変えてしまったこともあったな・・・
わいがいくら頼んでも、おまじないや呪文は教えてくれなかったのじゃ。わいがまじないで一儲けしようとしていたのが見抜かれていたんじゃな。おじいさんが死んでしまってから、まじないは途絶えてしまったんじゃ。残念じゃのう・・・
漁のジンクス
石垣島で漁をしている者たちに伝わる、漁のジンクスがあるんじゃ。海でも火の玉が見られる時があってな、火の玉が見えた場所で漁をすると、大漁になるんじゃ。
留守番している家族が家中で騒いでいると、どういう訳か魚が逃げてしまって取れないので、家族の中に漁に出かける者が居る時は、留守番の者達は家で静かにしているんじゃよ。
女が跨いだばかりの釣竿では魚が釣れないんじゃ。でもな、漁の前に女から落ち葉を手渡しで貰うと魚は良く釣れるんじゃよ。
(前世滝沢馬琴 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)
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