今年2017年の「秋の日」は9月22日。その前後6日間が、「お彼岸」となります。
今まさにお彼岸の最中ですが、この期間中はこちらの世界「此岸( しがん)」と魂の世界「彼岸(ひがん)」が繋がると言われ
単に生と死の世界ではなく、「此岸」は煩悩と欲の世界、「彼岸」 はそれらの苦から解放された世界とされています。
俗にいう”成仏”の世界と言えるでしょう。 そこが御盆とはまた異なる性質のようです。
彼岸はサンスクリット語でパーラム、 彼岸と此岸の間の河を渡る事をイターと言い、これらを繋げてパーラミターと言いますが、 これは般若心経に出てくる波羅蜜多(はらみつた)の事です。
このように漢文へ訳したのはかの有名な玄奘三蔵で、 原始仏教における厳しい修行でこの河を渡る術をより多くの人へ布教しようとしたのが波羅蜜多であり、 日本ではより国民に親しまれやすく設けられた期間が「お彼岸」なのです。
よく、このような決まり事は人間の作り出した気休めでしょう? と、言われる方もいらっしゃいますが死者も生きていた人間な訳で、 こういう文化を通じ繋がりを持つ事はとても大事かな期間かと僕は思います。
「生」と「死」という一見、完全なる隔たりがあっても尚、 愛情などの想いで繋がってられるという事は素晴らしい事だなと思います。愛は次元を超えれる力ですね。
そして僕が思うに、このような「想い」 こそ彼岸へ行けなかった死者に必要な事ではないかと。
普段は恐れるようなお化けにも、こういった機会にほんの少し「 想い」を分けてあげては如何でしょうか。この世界が、愛に満ちた世界でありますように。
お線香と鐘音で亡き人へ想いを馳せたいと思います。
彼岸花はとても不思議な事に、 この期間が近づくと日本中で一斉に咲きます。
普通の植物は気温などで地域差が見られるのに彼岸花だけは口裏を 合わせたかのように一気に咲くそうで、この仕組みは現在、 何なのか解明されていないそうです。
(由乃夢朗 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)