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飛鳥時代・聖徳太子が空飛ぶ天馬に乗って移動した!

我々人類と馬の関係は深い。

その為だろうか、世界中で馬をモチーフにした幻獣は数多く語り継がれている。

中国では神仙思想に基づき、仙人と共に飛行する翼馬伝説が語られ、中央アジアでは赤い汗をかく汗血馬の存在が噂された。ヨーロッパで最も有名な幻獣の馬は、ペガサスである。ギリシア神話に登場するペガサスは、英雄ベレロポンを背に乗せて、キマイラ退治に活躍している。ほかにも、ササン朝ペルシアにおいて、天馬は聖なる生物と見なされていた。




このように、空飛ぶ馬の伝説は、ローマから西アジアを経て、中国、日本へとシルクロードを経て世界中に広がっている。実はシルクロードは、怪物伝承の世界伝播ルートのひとつであり、キメラ怪物であるスフィンクス(エジプト)、マンティゴラ(中央アジア)、鵺(日本)の伝播もシルクロードである。

『聖徳太子伝暦』や『扶桑略記』によると、聖徳太子と空飛ぶ馬との伝承が記録されている。

推古天皇6年(598年)4月、聖徳太子が献上された数百匹の馬の中から「甲斐の黒駒(くろこま)」を、空飛ぶ神馬であると見抜き、舎人の調使麿に命じて自邸で飼養することに決めた。同年9月に、聖徳太子が跨ると甲斐の黒駒は天高く飛び上がり、富士山を越えて信濃国まで至った。しかも、この期間はたったの3日であったという。

現在、河口湖口に太子館という山小屋があるが、これは聖徳太子と甲斐の黒駒の伝承による。

なお、聖徳太子以外にも空飛ぶ馬を持っていたと言われている人物がいる。

奈良時代に九州で反乱を起こした藤原広継も空飛ぶ馬を持っており、たった一日で大宰府と大和を往復していたと言われている。

近年、イタリアで「フライングホース」が目撃されている。空飛ぶ馬の伝説は今も続いているのだ。

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