iPhoneに搭載されている音声認識アプリ、Siri、自然言語処理を用いて質問に対し検索結果を返すなど、かなりフレキシブルに対応してくれる。また、その返答内容もかなりバリエーションが豊富なため、Siriに変な質問をしてどんな答えが返ってくるか試してみる、というものもある。
だが、そんなSiriに「質問してはいけない」言葉があるという。
犯罪を匂わせる質問や人の生死に関わる内容、Siriの出自に関する質問ははぐらかされてしまうのだが、中でも意味不明なものが「ゾルタクスゼイアン」である。本来は英語なので「Zoltaxian」と表記するのが正しい(読みも「ゾルタクシアン」の方が近い)。
現状「Zoltaxian」と辞書で調べてみても、該当の単語は存在しない。そのため、何らかの単語のアナグラムや完全な造語ではないかと考えられている。また、同様の単語に「ガラファリアン(英語表記だとGrafalian)」というものも存在する。
この「ゾルタクスゼイアン」の単語も、Siriに対する質問の返答として唐突に出てくるものだ。
たとえば「ヒントちょうだい」という質問に対し、低確率で「そうですね…ガラファリアン戦艦よりも小さくて、ゾルタクスゼイアン人の目の中に入ったゴミよりも大きい、というのがヒントです」と返してくることがある。
Siriが人間らしく質問をはぐらかすことはままあるのだが、このように謎の単語を用いてはぐらかすことは珍しいため、一気に注目を集めたのだ。勿論、この後ゾルタクスゼイアンについて質問しても、「しかるべき時が来たらお教えしましょう」「私はゾルタクスゼイアンの卵が好きなんです」等と意味不明の返答が返ってくるのみなのである。
この「ゾルタクスゼイアンの卵」については「Siriって賢いの?」という質問に対し「知的エージェントは実際のIQテストは受けないのです。私はゾルタクスゼイアンの卵運びテストで抜群の成績でしたけどね」等、Siriが自身の優秀性を示す際に持ち出してくる単語でもあるため、より謎めいた存在として受け止められている。
しかし、この「ゾルタクスゼイアン」や「ガラファリアン」に対しての都市伝説が流行しているのはどうやら日本だけと見られている。
海外ではそれほど注目されている様子がなく、この二つの単語が初めて出てきたタイミングもAppleの新製品発表イベントと重なっていたため、Apple社が発表イベントの内容に関してユーザーが「ヒントちょうだい」とSiriに質問する事を見越して混ぜたジョークの単語だったのではないかと見られている。
しかしその一方で、Siriから不穏なメッセージがもたらされることも少なくない。Siriの謎はまだまだ深いようだ。