※本コラムはゲーム作品「妖怪ウォッチ1~3」 をアカデミックに解析し元ネタの特定ほか妖怪伝承について解説し ていくコーナーです。
妖怪ウォッチ1にて、工事中のビルに出現したボス妖怪のおぼろ入道。大入道の一種らしく非常に大きな姿をしており、巨体を活かしてパーティー全体に影響を及ぼす攻撃をくり出してきた。
大辞典の解説によれば、おぼろ月夜に現れ、人を巨大な影でのみこむ。この時けっして振り返って影の正体を見ようとしてはならず、振り返った人は「人知れぬうち姿消し人々の思い出からもおぼろとなる」のだという。
人が忽然と消えてしまう、神隠しを発生させてしまう恐ろしい妖怪でもあるようだ。
日本に昔から伝わる妖怪にも、似た特徴を持つものが存在する。
それが日本各地に伝説の残る見越し入道だ。主に坊主頭で恐ろしい顔の巨人の姿をしていると言われ、江戸時代の絵草子などでは妖怪の親玉や親分のように描かれることもあった。
見越し入道は主に夜道に人の背後から現れる。初めは子供ぐらいの大きさしかないのだが、気づいて振り返った人の前で見る間に大きくなっていき、最後にはその人に向かって倒れかかってくる。
その後はそのまま見越し入道に食べられてしまう、巨体に押しつぶされてしまう、災難が起きたり衰弱死してしまう、という話もある。
そんな見越し入道の撃退法も伝わっており「見越し入道、見越したぞ」と呪文を唱えたり、見越し入道が大きくなったと思ったらどんどん見下ろしていけば小さくなっていくので難を逃れられると言われている。
(黒松三太夫 ミステリーニュースステーションATLAS編集部 寄稿・ミステリーニュースステーションATLAS)