ヨルダンとイスラエルの国境に存在する、世界で一番塩分濃度の高い湖、死海。ここに存在する洞窟から、1947年に壺に入った古代の書簡が多数発見された。後の研究でこれらの書簡は古代ユダヤ教の聖典群であり、最も古い聖書写本であることが判明したのである。
死海文書は「会衆要覧」「感謝の詩編」「光の子と闇の子の闘い」「ハバクク書注解」「聖マルコのイザヤ写本」「ヘブライ大学イザヤ写本」「外典創世記」の7巻からなり、羊皮紙やパピルスの他銅板に刻まれたものもあった。そして作成されたのはおよそ2000年以上前、古代ユダヤ教の一派クムラン宗団の手によるものと解った。
クムラン宗団は古代ユダヤ教の中でも厳しい修行を己に課していた事で知られており、一説にはイエス・キリストもこの宗団に属していたとされている。彼らが死海文書を残したのは、紀元70年頃に起きたローマ帝国の侵略を受けてのことだったという。旧約聖書のダニエル書を重視していたクムラン宗団は、彼らの間に啓示された預言を未来に向けて密かに残していたのである。
死海文書の写本群には、研究の結果未来に起きるとされている人類の終末と最終戦争、ハルマゲドンに関する預言が記されていたという。新約聖書の「ヨハネの黙示録」にて詳細に描写されたハルマゲドンは、イスラエルの建国から70年後に起きると書かれていた。イスラエルの建国は1948年、預言に従えば70年後である今年、2018年にハルマゲドンが起きるということになる。
折しもイスラエルを初めとする中東情勢は近年きな臭さを増しており、昨年にはイスラエルがアメリカに続いてユネスコ脱退を表明したり、アメリカのトランプ大統領がアメリカ大使館をイスラエルに置くと公言して物議を醸すなど緊張が増している。
これらの情勢変化は死海文書が預言していたものなのだろうか。だとすると、今年ハルマゲドンが発生してしまうことになるのだが、果たして?
(加藤史規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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