
今から3年前の2020年、日本の小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」からサンプルを持ち帰った。探査機 「はやぶさ2」 は2014年に打ち上げられた後、2018年に小惑星リュウグウの周回軌道に到達。ミッション中に岩石や土壌のサンプルを収集して無事帰還成功となった。
「はやぶさ2」が持ち帰ったサンプルは分析が行われ、これまでにも塩や有機物を含む炭酸水、生命を構成するアミノ酸23種等が検出されていた。そして20日、JAXAはサンプルの分析結果が出そろったと会見で発表した。
サンプルを分析した結果、最も原始的な物質が含まれていたことが判明。中には地球上の生命の構成要素の1つであるリボ核酸 (またはRNA) の4つの核酸塩基のうちの1つであるウラシルが含まれていたという。
小惑星リュウグウ自体は、太陽系が誕生した初期である約45億年前に太陽から遠く離れた場所 (海王星の軌道付近) で形成されたと考えられている。そのため、今回の発見は生命の構成要素が遠い過去のある時点で「宇宙から地球に到達した」ことを示唆する証拠として歓迎されている。
分析に携わった北海道大学低温科学研究所の大場康弘准教授は「最も手付かずの地球外物質の中に、核酸塩基のような生物学的に関連性のある分子が発見されたことで、生命のもととなる物質が本当に地球外環境に存在することが保証された」 と述べている。
また、今回のプロジェクトの責任者を務めたJAXAの津田雄一氏は「やりたいことはすべてやったうえで予想以上の成果が収められた。心の底から喜びたいし、誇りたい」と語っている。
今後は「生命の材料」となるアミノ酸等が宇宙由来のものであると結論づけるには至らなかったため、別の天体のサンプルを分析して明らかにしたいという。今後は小惑星とは異なる彗星のサンプルを持ち帰り、リュウグウのサンプルと比較して科学的な違いを探る計画を検討している。
Building block of life found in sample from asteroid Ryugu https://t.co/1mxRTQEQKa pic.twitter.com/JFtIka51l1
— SPACE.com (@SPACEdotcom) March 21, 2023
(飯山俊樹 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)