
読者の皆さんの中で、「悪魔ちゃん命名騒動」を覚えている方はいるだろうか・・・。
今から30年前の1993年8月、東京都昭島市役所に「悪魔」と名付けられた出生届が提出された。この命名を不適切であるとして、役所側が受理を拒否したため大きな騒動に発展。「親の命名権」に関する問題提起となる重要な審判例となった。
この騒動を想起させるような事例がフランスでも発生して注目を集めている。
先日、クリスティーナ・デスグレスとロドリゴ・ベラスケス夫妻が赤ちゃんの出生届けを提出。しかし、その名前が問題となって法廷で争うこととなっている。
問題になった赤ちゃんの名前は「ハーデス」。ギリシャ神話の冥界の神にちなむ名前だが、当局に拒否されてしまった。
ちなみになぜ、この名前をつけようと思ったのかについて母親は 「名前を続けるとハーデス・ベラスケス・デグレとなって、音の響きがきれいだと思ったからこの名前にしたんです」 と語っている。
夫婦はこの名前が受け入れられるものであることを裁判所に納得させるために弁護士を雇い、現在も法廷闘争を続けている。家族側は「問題なくハーデスと名付けられた赤ちゃんが他にもいる」と主張、名前が子どもの成長に悪影響を与えなかったという証拠を得るため、その家族にまで連絡を取っている。
ちなみに、ギリシャ神話のハーデスは死者の国である冥界を統治しているが、死神という訳ではない。
世界に目を向ければ、自分の子どもに「統計情報通信局」 と名付けたインドの男性から、ナミビアで選挙に当選して注目を集める事となった 「アドルフ・ヒトラー」 という男性まで、様々な人がいる。
今回の「ハーデス」ちゃんの名前がどうなるのか、判決は4月4日に下される見通しとのことだ。
FRENCH couple, forbidden by town hall&local prosecutor to call their baby son #Hadès, have gone to court to insist on their choice. Mother KristinaDesgres says the #GreekMyth name is 'pretty' & has excited no unfavourable comment. Court at Channel port #SaintMalo rules next month pic.twitter.com/I2b2rJZexG
— Derek Todd (@supra_fox) March 7, 2023
(加藤史紀 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像: Egisto Sani on Visualhunt