スコットランドのコーダー城に住む、手の無い「ミュリエル・カルダーの亡霊」

スコットランドのハイランド地方、ネアン近郊の田園地帯にあるコーダー城は、15世紀の塔を中心に建てられた歴史ある建造物だ。特にシェイクスピアの劇『マクベス』に登場する事でもよく知られている。

現在この城は人気の観光スポットとなっているが、イギリス国内の城の定番として「城壁の中には幽霊が潜んでいる」と言われている。事実、これまでにも多くの人が場内あちこちの部屋や廊下をさまよう幽霊の姿を目撃しているというのだ。

コーダー城で有名な幽霊の一つが「ミュリエル嬢の幽霊」だ。彼女の亡霊は、青いビロードのドレスを着た寂しげな姿の女性という姿で、時々城内に現れると言われている。また、彼女の幽霊を見た人の中は、「両手がなかった」という証言もある。




幽霊といえば足がないと日本ではよく言われているが、彼女の場合は両手を失っているらしい。そんなミュリエル嬢の幽霊には次のような言い伝えが存在している。カルダー伯爵の娘であるミュリエル・カルダーは、幼い頃に誘拐され、アーガイル家のジョン・キャンベル卿と結婚させられたという(ただし、彼女は純粋にキャンベル卿を愛していたともいわれている)。

彼女の話には様々なバリエーションがあるが、大筋では「城の塔の窓から降りて逃げようとしたが、窓枠にぶら下がったところで一振りの剣で両手を切断され、落下して死んでしまった」というものだ。こうして非業の死を遂げたミュリエル嬢は、両手を失ったまま悲しげな様子で城の中をさ迷うようになったのだそうだ。

(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像: Gordon Chirgwin on VisualHunt

 

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