米空軍も捜査した!?目撃者にパンケーキを作った宇宙人「ジョー・シモントン事件」

世界中で様々な宇宙人と遭遇した事例が報告されているが、中でも奇妙なものが養鶏家のジョー・シモントン氏が報告した宇宙人との遭遇事例だろう。
この事件は1961年4月にアメリカはウィスコンシン州イーグルリバーにて、養鶏場を営むジョー・シモントンという54歳の農夫が体験したものである。昼前、彼が自宅にいると突然外からガタガタと騒音がした。彼が庭に出てみたところ、そこには高さ3.6メートル、幅9メートルほどもある銀色の円盤が地面すれすれに浮遊していたのだという。
やがて円盤のハッチが空くと、中に身長1.5メートルほどで黒髪に浅黒い肌、タートルネックに帽子という出で立ちの乗員が3人中にいるのが見えた。その内の一人がシモントン氏に水差しのようなものを差し出し、水がほしいという内容をジェスチャーで伝えてきたため、彼は水を汲んで渡してやった。
円盤の中では彼らが料理をしているようだったという。しばらくして、料理をしていた乗員の1人がシモントン氏の家に上がり込むと、なんとフライパンを持ってパンケーキを焼き始めたという。そしてシモントン氏に調理していたと思しきクッキーを4枚手渡すと、円盤のハッチを閉じて中へ戻っていった。そして円盤は松の木を倒しながら、南の空へ飛び去っていったという。
この事件には何よりもクッキーという物証が残っている点が特徴であり、実際に研究所によって成分分析がなされている。それによると原材料はトウモロコシと麦、塩分をほとんど含まないためボール紙のような味のものであった。
この事件については様々な方面より検証がなされており、当時米軍のUFO研究プロジェクトであるプロジェクト・ブルーブックに携わったUFO研究家のアレン・ハイネック博士もインタビューを行った。最終的にプロジェクト・ブルー・ブックの記録には「シモントンは、幻覚を見た後に妄想に悩まされた」という結論が書き込まれたが、物証があるため安易に全てが幻覚と片付ける事はできない、とも言われている。
いずれにせよ、シモントン事件はプロジェクト・ブルーブックのファイルの中で、「目撃者の精神状態」重視され、報告書に書き込まれた珍しい例といえそうだ。
なお、ハイネック博士は「異国の人間に道を尋ねられた際に見た明晰夢」によるものであると解釈しており、またフランスのUFO研究家ジャック・ヴァレ氏はクッキーに塩分が含まれていないことに着目。欧州で古来より語られている妖精との遭遇譚(妖精は塩を好まないため、妖精が人間に与える食物には味がない)に似ている体験であると著作の『Passport to Magonia』にて言及している。
(飯山俊樹 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 Steve Buissinne / PIXABAY