我々人類は普段陸上で生活しているが、もし水中で長い間過ごした場合、人体にはどのような影響が出るのだろうか・・・。

この疑問に対し、「ミスター・ディープ・シー」と呼ばれる男性が実際に100日間水中で孤立した生活を送るという実証実験を開始した。

この過酷な実験に挑むのはジョセフ・ディトゥーリ氏、元アメリカ海軍司令官であり生物医学工学の博士号を持ち、高気圧医学の教鞭をとっている。彼は現在、1986年にフロリダ州のキーズ沖で海中ホテルとなった元海洋研究所「Jules’ Undersea Lodge」に6月9日まで100日間滞在、水中での人間の居住に関する記録更新を兼ねた実証実験「プロジェクト・ネプチューン」を試行中である。

今回の研究は一酸化炭素中毒や感染症など、組織が酸素不足になる状態を治療するため圧力を高めて酸素を供給する高気圧医療に焦点を当てたものという。実験期間中、極限環境で生活した際にどのような影響が出るのか、適宜試験や分析を受けることになる。




また、限られたスペースで本当に生活するだけでなく、オンラインで高気圧医学の授業を行ったり、約40人の若いダイバーを迎えて24時間海中で過ごして潜水士の認定を受ける予定だという。もちろん、この実験は一人で行われるのではなく、著名な海洋学者シルビア・アール氏をはじめとする一流の海洋科学者が、オンライン授業や放送のために海中で彼と一緒に過ごす予定。3月初めから始まった水中生活実験では、医療チームが幹細胞の生産量増加などの健康状態を記録している。

ちなみに彼は既に自身のインスタグラムで実験の模様を公開しており、ファンから「伝説」「深海さん」と呼ばれている。時には質問に返答し、「海中ではより緊急に、より長くおしっこをする必要がある」等と水中生活での注意点を語っている。

人間が海底に居住したこれまでの記録は、2014年にテネシー州の大学の教育者2人がジュールズで記録した73日間が最長。しかし、ディトゥーリ氏は「記録というよりも、次世代の子供たちがこの実験をきっかけに海洋環境に興味を持ち、環境保全や保護、再生の方法を学ぶためにここを訪れるようになってくれれば」と語っている。

画像 https://twitter.com/fltrek

 

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