
あともう一つ。
まだ弟たちが近くにいなかったため、私が幼稚園に上がった頃、40年近く前の出来事かと思います。
私は母に連れられて、地元ではおしゃれな婦人服専門店にいました。店主のおじさまと母は立ち話をしています。
私は母と手をつないで『大人の話は長いなー』と思って聞いていました。店主のおじさまはスタイルはすらっとされていて、髪は薄めですがロマンスグレー、品よく整えられています。
そして眼鏡をかけた知的な感じのする紳士でした。
いつしか年齢の話になり「私はこの髪のせいで年上に見られるんですよ。」「いくつに見えますか?」と母に質問されていました。
母がまごまごしていると、私の頭の中に突然【58】という数字が浮かんだのです。
それはまるで、当時のテレビのブラウン管に真っ黒い画像が映し出され、白抜きで数字が浮かんだようでした。
私は当時からおしゃべりな子供でしたが、『多分58歳なんだけどな。手をつないでるから手から気持ちを送るんだけど、お母さんじゃ伝わらないだろうな』『でも私からは言っちゃいけない気がする』と思い、黙っていました。
すると、おじさまが急にこちらを向き「お嬢ちゃん、おじさんいくつに見える?」と質問してきました。
『聞かれたならば答えてよい』となぜか感じたため、即「58」と答えました。
おじさまはそれを聞くや否や非常に驚かれ「えー!すごい!お嬢ちゃん何でわかったの?」「ほおー。これはすごいわ。」としきりにおっしゃっていました。
しかし、もともと天然の母はあまり驚いた様子もなく、ぼーっとそれを聞いているだけだったように記憶しています。
ひょっとしたらこの出来事自体、母の記憶からは消えているかもしれません。
(アトラスラジオ・リスナー投稿 ゆかりんさん 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 Friedhelm Brandenburg / PIXABAY