土から蘇ってくる死者を「魔除けの死釘」で防いだ?痕跡の残るローマ時代の墓

トルコの遺跡で、「死者から生者を守るために封印された2000年前の墓」が発見された。

トルコ南西部にある有名なサガラソス遺跡で発見されたこの墓は、紀元100年から150年頃のものである。この墓には縁に数十本の曲がった釘がばらまかれており、更にレンガと石膏で墓全体が厳重に封印されていたという。

この風習は当時の人々が「死者が墓から蘇り、生者を脅かすかもしれない」という恐怖心を抱いていたことを示唆する証拠だと専門家は語る。前述の曲がった釘は「死釘」と呼ばれるもので、現代で言う塀の上に設置された有刺鉄線のようなものだという。




ベルギーのルーヴェン・カトリック大学の考古学者で研究の第一著者であるヨハン・クレイス氏は、「今回の墓は3つの異なる方法で閉鎖されており、死者から生者を守ろうとしたか、あるいはその逆の死者を守ろうとした試みと理解できる」とLive Scienceに語っている。

厳重な封印や「死釘」は迷い出てきた死者の霊を墓の中に封じる一種の魔除けであると同様に、墓荒らしによる被害を防ぐものでもあると考えられるとのこと。

事実、この墓からは編み籠やコイン、陶器、ガラス製品、一緒に墓に供えられた食べ物の残骸など、いくつかの葬儀用品も発見されている。この事から、クレイス氏は「故人が当事の人々にとって適切な方法で埋葬されたことは明らかなようです」と語っている。

(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像: ustung on VisualHunt

 

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